今、注目を集めているドローンですが、ドローンを飛行させるためには様々な規制があります。
ドローンを飛ばすには何か許可が必要という認識は広がってきているものの、具体的な内容は分からないという人が多いと思います。規約を破ってしまうと罰則を受けてしまうこともあるので注意が必要です。
では、どのような規制があるのでしょうか。この記事をお読みいただき、ドローン飛行許可の全体像と簡単な許可申請の内容を理解し、ドローンの飛行許可についての知識の土台を身につけていただけたらと思います。
ドローンに関わる規制

航空法
航空法とは、航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止などを目的としている日本の法律です。
航空法において、無人航空機を飛行させる際の、基本的なルールが定められています。これらのルールに違反した場合には、50万円以下の罰金(飲食時の飛行はシチュエーションによっては1年以下の懲役又は30万円以下の罰金)が課せられることがあります。
100g未満の重さ(バッテリー重量含む)のドローンや屋内や網等で四方・上部が囲まれた空間については、これらのルールは適用されません。
以下の項目については、国土交通省の許可・承認を受ける必要があります。
空港等の周辺上空の空域
空港やヘリポートの周辺は人が乗っている飛行機やヘリコプターとぶつかる可能性があるので許可申請が必要です。
規制空域は、空港を中心にすり鉢状に設定されていて、空港に近いほど低く、空港から離れるほど高く設定されています。空港を含めた、重要施設の周辺地域の上空の飛行を許可なく飛行させると「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金」に処せられます。
空域の具体的な調べ方
「国土地理院 地図」とインターネットで検索をし、画像左下の「空港等の周辺空域(航空局)」を選択をすると色付きのエリアが表示されます。空港やヘリポート毎に、それぞれ許可申請が必要な高度が決まっています。
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空港等の周辺空域における「申請手順」
①管理機関から承認を得る
該当する空港の管理機関に、事前に連絡をして「承認」を得てください。管理者の承認なしでは、申請しても許可がおりません。
②管理機関から承認をもらったら、該当する空港事務所へ申請します。
国土交通省は、空港等周辺を含む「飛行禁止空域」での飛行に関する申請は、遅くとも飛行開始予定日の10開庁日前までに書類を提出するようアナウンスしています。しかし、申請に不備があった場合は審査に時間がかかることや、混雑する時期もあるため、飛行開始予定日から3〜4週間ほどの余裕をもって申請した方がいいでしょう。
150m以上の高さの空域
この高さも飛行機やヘリコプターとぶつかる可能性のある空域のため、許可申請が必要です。
150mという高さは、「地表または水面」から150mとなります。そのため、標高1,000mの山の頂上から飛行させる場合でも、そこから高度150m未満であれば、許可なく飛行が可能です。
しかし、例えば山頂からドローンを150mギリギリで飛行させた場合、そのまま山の高さが低いところに飛ばすと150mを超えてしまう恐れがあるため注意が必要です。
個別申請が必要
国交省では、「高度150m以上の飛行」「空港周辺飛行」での1年間場所を特定しない申請(包括申請)を認めておらず、制度上包括申請が出来ないため、高度150m以上の飛行を行う場合は、その都度、当該空域を管轄する空港事務所に申請書を提出することとなります。
150m以上の飛行許可が必要な具体例
被写体が広範囲にわたる場合・高い建物を撮影する場合や、起伏が激しい山林での飛行(崖や谷など、標高が急に低くなる場所では、相対的に高度が上昇するため)では高度を高くして飛行させる可能性があります。
申請の方法
①空域管理者の特定と調整
高度150m以上の飛行許可申請では、申請前に空域管理者との調整を行う必要があります。
申請書にはその調整結果をまとめる項目がありますので、作成の前に関係機関との調整を行いましょう。
また、空域管理者は飛行場所によって異なります。
②審査機関の特定
①で調整をした空域管理者は申請先(審査機関)ではありません。
高度150m以上の飛行許可の場合は、その場所を管轄する空港事務所が申請先となります。
③地図の作成
地図は座標を用いて詳細に作成します。
通常の申請とは異なり、地図は、かなり詳細に作成する必要があります。
人口集中地区(DID地区)の上空
人口が集中している地区では、ドローンが墜落したときに人や物件に接触してしまう恐れがあるため、許可申請が必要です。許可申請をする多くの人がこの人口集中地区(DID地区)での許可を取得をしていると思われます。
人口集中地区の設定項目として
原則として人口密度が1平方キロメートル当たり4,000人以上の基本単位区等が市区町村の境域内で互いに隣接して、それらの隣接した地域の人口が国勢調査時に5,000人以上を有するこの地域を「人口集中地区」としています。
空域の調べ方は、国土地理院で「人口集中地区」を選択もしくは「ドローンフライトナビ」というスマートフォンアプリを使用すると色付きのエリアで表示されます。
許可申請の方法
人口集中地区(地域)、住宅密集地でのドローン許可申請は、基本的には地方航空局へ申請を出します。
ドローン許可申請はオンラン申請、郵送及び持参のいずれかの方法により申請が可能となっています。
①オンラインサービス
飛行開始予定日の少なくとも10 開庁日前までに不備等がない状態で提出する等の申請に関する条件は、書面での申請と同様です。オンライン申請の場合は許可・承認までのスピードが書面での申請より早く、申請数も書面での申請よりオンライン申請の方が圧倒的に多いです。
②郵送
普通郵便でも可能ですが、記録が残る簡易書留が推奨されています。多くの方はレターパックで郵送しています。発行された許可書等についても郵送を希望される場合、返信用封筒に基本料金相当の切手を貼付の上、申請窓口あてに郵送します。オンライン申請ではシステム上対応できない申請が一部あるので、その場合は郵送による許可申請をします。
③持参による場合
窓口の受付時間に、返信用封筒及び切手も持参する必要があります。
緊急用務空域での飛行
災害時等の際に設定される空域が緊急用務空域です。災害時の規模に応じ、緊急用務を行う航空機(ドクターヘリなど)の飛行が想定される場合には、国土交通省がその都度、「緊急用務空域」を指定し、国土交通省のホームページ、Twitterでお知らせします。
国土交通省ホームページ
国土交通省航空局 Twitter
航空法に引っかかるのは100g以上の機体ですが、緊急用務空域に関しては100g未満の機体も対象です。
無人航空機の操縦者は、飛行を開始する前に、緊急用務空域に設定されているかの確認をすることが義務づけられています。違反者には、50万円以下の罰金が科せられます。
夜間飛行
夜間(日没から日の出まで)ではドローンの位置や姿勢だけでなく、周りの障害物などの距離や位置の把握も難しくなるため危険なため、高い操作技術が必要になります。ドローンの適切な操作が難しくなり、墜落や機体を見失う可能性があります。「日中」とは、国立天文台が発表する日の出から日の入りの時刻までの間を指します。
これは人の生活区域に限らず、自宅の庭であっても山や森、川や海など自分以外の第三者がいない場所であっても同様です。これに違反すると、航空法違反として50万円以下の罰金刑に処されます。
ドローンを使用したイルミネーションやドローンショーなどがありますが夜間飛行の許可を取得しています。
夜間で飛行させる方法
ドローンの夜間飛行の申請方法には、「オンラインによる申請」「郵送による申請」「持参による申請」の3つがあります。国土交通省は原則としてオンラインによる申請を推奨しているため、特段の理由がない限りはオンラインで申請するとよいでしょう。
オンライン申請は「DIPS」で行うことができます。
申請はインターネット上で完結させることができるため、別途で郵送や窓口への持ち込みなどは不要です。
しかし、書類に不備があった場合に時間がかかったり、受付の時間内に窓口を訪れる必要があります。
飛行の申請を行う時期としては、申請から許可まである程度の時間がかかることから、可能であれば飛行を行う日の10日前までを目安に考えるとよいでしょう。ただし、この目安は提出する書類などに不備がないことを想定している場合であるため、初めての申請時のように申請書類の内容に自信が無い場合は、2~3週間前を目安とするとよいかもしれません。
個別申請を行う場合、以下の点を明記しておく必要があります。
・夜間飛行を行う日時
・夜間飛行を行う場所
・夜間飛行エリアの策定
・補助員の配置図
・安全対策の要件
目視外飛行
目視とはドローンを飛ばしている人が自分の目で直接ドローンを見ることを指します。双眼鏡やモニター(FPVを含む)による監視や補助者による監視は目視外になります。眼鏡やコンタクトレンズの使用は「目視」に含まれます。
ドローンの多くは送信機にタブレットやスマートフォンを接続し、ドローンに搭載されたカメラの映像を手元で確認することができますが、ドローンで空撮中にスマートフォンやモニターに注力することは目視外飛行になります。
また空撮中や点検を行っているときに機体が建物や構造物、山などの死角に入り、操縦者がドローンを目視することができない状態も目視外飛行となります
ドローンを遠距離で飛行させて目で確認できない状態も目視外飛行に該当します。
規制緩和により一部条件で許可が不要に
これまでドローンの目視外飛行を行う場合、飛行ごとに国土交通省への許可申請をしなければなりませんでした。しかし、法改正にともない、一定の条件を満たすことで規制が緩和されることとなりました。
改正後は、①機体認証を受けた機体を、②操縦ライセンスの保有者が操縦し、③運航ルールに従うことを条件に、飛行ごとの許可申請が不要となります。
レベル4解禁で有人地帯の目視外飛行が可能に
これまでの目視外飛行は無人地帯での飛行が前提とされており、住宅地などの有人地帯は認められていませんでした。しかし、これも航空法の改正によって規制が緩和され、一定の条件を満たすことで有人地帯での目視外飛行(レベル4飛行)が可能になります。
上記で紹介した「①機体認証を受けた機体を、②操縦ライセンスの保有者が操縦し、③運航ルールに従うこと」の3つの条件を満たし、飛行ごとの許可申請をすることでレベル4飛行ができます。
無人地帯での目視外飛行(レベル3飛行)と異なる部分としては、機体認証の有効期間が1年間であること、操縦ライセンスは「一等資格」の取得が求められることが挙げられます。
第三者、第三物から30m以内の飛行
ドローンは人または物件から30m以上の距離を保って飛行させることになっています。
人というのは第三者(ドローンの飛行に直接的・間接的に関わっていない人)、物件というのは第三者が所有している建物や自転車などの物件です。
木や雑草などの自然に発生しているものは物件には当てはまりません。電柱、電線、信号機、街灯は見落としがちになりますが物件に当てはまります。
人又は物件との距離について
「人」について
「人」とは無人航空機を飛行させる者の関係者以外の者を指します。
飛行許可のために、土地の所有者やその近隣の方に飛ばすことを報告して了承を得られた場合、これはドローン操作に無関係に思われますが、飛行許可を出したということで関係者になります。よって、第三者には含まれません。
「物件」について
「物件」とは、次に掲げるもののうち、無人航空機を飛行させる者及びその関係者が所有または管理する物件以外のものを指します。
①中に人が存在することが想定される機器
(例)自動車、鉄道車両、軌道車両、船舶、航空機、建設機械、港湾のクレーン等
②建築物その他の相当の大きさを有する工作物等
(例)ビル、住居、工場、倉庫、橋梁、高架、水門、変電所、鉄塔、電柱、電線、信号機、街頭等
なお、土地(田畑用地、道路の路面、堤防、土地と一体となった鉄道の線路)や自然物(樹木、雑草など)は「物件」にあたりません。
「距離」について
30mという距離は、人又は物件からの直線距離を指します。
人又は物件から30mの球状になります。
人・物件との間に30m未満で飛行するには
人又は物件との間に30m未満で飛行したい場合は国土交通省に申請して承認を得る必要があります。
オススメは一年間の包括申請を取得することです。包括申請とは飛行場所を問わず一定のエリア、一定期間内、承認をしてもらう事です。
つまり包括申請を取得しておけば原則、人・物件との間に30m未満で飛行する事ができるようになるのです。
イベント上空飛行
たくさんの人が集まるイベント(催し)が行われている場所の上空ではドローンが墜落した時に被害が大きくなる可能性が高いので許可申請が必要です。「たくさんの人が集まるイベント」をは集合する者の人数や規模だけでなく、特定の場所や日時に開催されるかどうかによって総合的に判断がされます。
ドローン飛行における「イベント」「催し物」の定義とは
「イベント」「催し物」と言っても、人によって「どこからがイベントなのか」曖昧に思われるかと思います。
国土交通省ではドローン飛行にかかわる「イベント」「催し物」の基準を記しています。
催し場所上空において無人航空機が落下することにより地上等の人に危害を及ぼすことを防止するという趣旨に照らし、集合する者の人数や規模だけでなく、特定の場所や日時に開催されるものかどうかによって総合的に判断されます。(※)
具体的には、以下のとおりとなります。
- 該当する例:法律に明示されている祭礼、縁日、展示会のほか、プロスポーツ
の試合、スポーツ大会、運動会、屋外で開催されるコンサート、町内会の盆踊り大会、デモ(示威行為) 等- 該当しない例:自然発生的なもの(例えば、信号待ちや混雑により生じる人混み 等)
※人数について、特定の時間、特定の場所に数十人が集合している場合は、「多数の者の集合する」に該当する可能性があります。
国土交通省「無人航空機(ドローン、ラジコン等)の飛行に関するQ&A」より
つまり「特定の日時に人が集まる」がイベントおよび催し物になります。
例えば、イベント告知として「◯月◯日に△△をおこないます!」とアナウンスしてたら、その時点でイベント・催し物となります。
「催し」に該当する例として
・法律に明示されている祭礼
・縁日、展示会
・プロスポーツの試合、スポーツ大会、運動会
・屋外で開催されるコンサート
・町内会の盆踊り大会
・デモ(示威行為)等
「催し」に該当しないものの例
・自然発生的なもの(信号待ちや混雑により生じる人混み等)
危険物輸送
ドローンでは危険物を輸送することが原則禁止されています。「危険物」とは、火薬類、高圧ガス、可燃性物質、毒物類、放射性物質等が該当します。物件は物だけでなく、農薬散布のような水や霧状のものでも承認申請が必要となります。
ドローンを飛行させる場合に必要な燃料や電池は危険物に当てはまりません。
主に農薬散布をする際に必要となる申請です。
「危険物輸送」の例として、ドローンを使用した農薬散布が「危険物輸送」に含まれます。
物件投下
ドローンから物件を投下すると、地上にいる人や物件に被害が出たり、ドローン自体も投下する時にはバランスを崩す可能性があることから許可申請が必要です。
物件の投下には、水や農薬等の液体や霧状のものの散布も含まれます。宅配などで物件を地面に置く場合は、投下していないので、物件の投下にはなりません。
例外としては、物を「置く」場合。物を「置く」場合はこの承認申請は不要ということになっています。
「危険物輸送」の例として、ドローンを使用した農薬散布が「危険物輸送」に含まれます。
物件投下は物資の輸送などで要ともなる行為です。よってドローンに専用の機構を搭載し、投下訓練を規定回数以上行うことで、地方航空局長に許可申請を行うことが出来ます。
国土交通省や地方航空局の承認例は決して多くはありませんが、離島への物資輸送実験や宅配業務などにも使用され、今後注目を集めていく飛行方法になります。
ドローンの「物件投下」の訓練は、練習の為とはいえ野外で行うことは禁止されています。訓練を行う為には、設備を整えた専用の施設内で行うことが求められます。
その他の関連する法律
小型無人機等飛行禁止法
100g未満の機体であっても、航空法以外の規制については、一般のドローンと同様に規制が及びます。
小型無人機等飛行禁止法においては、重要施設及びその周辺おおむね300mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行が禁止されています。
小型無人機等飛行禁止法により、重要施設及びその周辺地域の上空の飛行が禁止される対象は、小型無人機及び特定航空用機器です。
◆小型無人機とは
飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船、その他航空のように供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作または自動操縦により飛行させることができるものと定義されています。
◆特定航空用機器
航空機以外の航空の用に供することができる機器であって、当該機器を用いて人が飛行させることができるものと定義されています。
例として、気球、ハングライダー、パラグライダーが該当します。
小型無人機等飛行禁止法の対象となる重要施設
- 内閣総理大臣官邸
- 最高裁判所
- 危機管理行政機関
- 皇居等
- 政党事務所
- 外国外国公館等
- 防衛関係施設
- 空港
- 原子力事業所
飛行禁止の例外と手続き
航空法に基づく飛行の許可・承認や機体認証・技能証明を取得した場合であっても、以下の場合以外では飛行させることができません。
①対象施設の管理者またはその同意を得た者による飛行
②土地の所有者またはその同意を得た者が当該土地の上空において行う飛行
③国または地方公共団体の業務を実施するために行う飛行
ただし、防衛関係施設や空港の敷地または区域の上空(レッドゾーン)においては、②・③の場合であっても対象施設の管理者の同意が必要になります。
違反をしたら
警察官等は、小型無人機等飛行禁止法の規定に違反して小型無人機の飛行を行うものに対して、機器の退去、その他の必要な措置を命ずることができます。また、やむを得ない限度において、小型無人機等の飛行の妨害、破損、その他の必要な措置をとることができます。その際に、一般の人への被害が出た場合はドローン操縦者の責任となります。
対象施設の敷地・区域の上空(レッドゾーン)で小型無人機等の飛行を行なった者および警察官等の命令に違反した者は、
1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
道路交通法
無人航空機を利用して道路上空から撮影を行うだけであれば、道路使用許可は必要ありません。
無人航空機を利用することで、道路における危険を生じさせ交通の円滑を阻害する恐れがあります。または道路に人が集まり一般交通に著しい影響を及ぼす場合には、道路使用許可が必要になります。
道路交通法における「道路」には車道のみではなく、歩道も含まれます。歩道を使用する際にも、道路使用許可は必要になります。
ドローンと自転車、歩行者、電線や電柱との距離が30m未満になる場合には国土交通省の承認(30m未満の飛行)が必要になります。人口集中地区(DID地区)の場合は国土交通省の許可も必要です。
また、第三者の上空も飛行させることはできませんので、道路上空で飛行させる場合は特に注意しましょう。
各自治体の条例
公園、観光施設における無人航空機の飛行は、公園、観光施設の管理者の管理行為に服します。
地方公共団体の位置に係る公園、観光施設は条例により規制されることが多いです。
また、都市公園における無人航空機の規制は、「持ち込み禁止」や「迷惑行為」とみなされることが多く、飛行も禁止されています。
民法
第三者の土地の上空で無人航空機を飛行させる場合、常に土地所有者の同意を得る必要はありません。
しかし、トラブルを避けるためにも、土地所有者の同意・承諾を得てから飛ばしましょう。
建物の管理者や所有者から許可が出ている場合でも、航空法の飛行許可承認申請が不要になるわけではありません。
河川・海岸法
河川法は、河川・河川敷における無人航空機の飛行自体を禁止していませんが、河川によっては、無人航空機の飛行自粛を求められることがあります。
飛行予定がある場合は、河川・河川敷の管理者に確認しましょう
海岸においても、同様に海岸管理者の管理行為による制約を受ける場合があります。
海水浴場が設けられている場合、海水浴場の管理者の管理行為による制約を受けます。
電波法
2.4GHz帯
日本で使用されているドローンの周波数帯は主に2.4GHz帯を使用しています。2.4GHz帯は無人航空機だけでなく、Wi-FiやBluetooth、家電など他の機器も利用する周波数帯です。そのため、ドローンを飛行させている近くで、他の2.4GHz帯の機器を扱うと電波干渉を起こしてしまう恐れがありますので注意しましょう。
機体とプロポの電波
飛行しているドローンはプロポ(送信機)に向けて、映像データを転送しています。画像や表示速度によってデータサイズが異なります。
プロポからドローンへ送る電波は、操縦のみのデータとなるため比較的軽いデータ量ですが、飛行しているドローンからプロポへ送る電波は、ドローンが映している映像データを送っているためデータ量が重くなります。そのため、プロポの映像と実際に飛行しているドローンとでは遅延(ラグ)が発生します。もしも、プロポに注力して操作(目視外飛行)を行う場合は、遅延があることを頭に入れて操縦をしましょう。
FPVドローン
FPVドローンを使用する際には、映像伝送の遅延を少なくするため、5GHz帯を使用します。5GHz帯を使用するためには、アマチュア無線技士及びアマチュア無線局免許が必要です。
アマチュア無線とは、金銭上の利益のためでなく、専ら個人的な趣味における事故訓練、通信および技術研究のための無線通信です。そのため、アマチュア無線を使用したドローンを利益を目的とした仕事などの業務に利用することはできません。
業務で使用する際には祭には大三級陸上特殊無線技士以上が必要となります。
規制対象とならないケース

屋内での飛行
飛行許可は屋外でドローンを飛ばすときに必要となるものなので、屋内で飛ばす場合は許可が不要です。
人口集中地区(DID地区)や目視外飛行、夜間飛行であっても屋内であればドローンを飛ばすことは可能です。
「屋内」というのはドローンが外に飛び出す可能性がないように、四方と天井が覆われている状態のことを指します。
窓や扉が開いていたり、四方のうち一箇所だけでも囲われていなければ屋内とは認められません。
事故や災害での人命操作、救助
国や地方公共団体、またはこれらから依頼を受けた者が、事故・災害等の際に捜査や救助などの緊急性のある目的のためにドローンを飛ばす場合には特例として、飛行の空域・飛行の方法の規制が適応されません。
しかし、災害時の対応であっても国や地方公共団体に関わらない独自の活動は特例の対象とはならず、国の飛行許可・承認などの手続き等が必要になります。
まとめ

無人航空機は「空の産業革命」とも言われ、既に空撮、農薬散布、測量、インフラ点検等に広く利用されています。
今後は、物流や災害対応、警備への活用等、さらに多様な用途に利用されることが期待されています。
一方で、墜落事故など人命への危険を生じさせる恐れのある事態や、空港付近での目撃情報により、国際空港が一時的に閉鎖されるといった事態が発生しています。
ドローンはまだ日本社会に浸透していません。様々な可能性を持っているドローンですが、事故など起こして悪いニュースが流れてしまうとドローンが普及していくのが遅くなってしまします。
今後、ドローンが活躍していく社会を作っていくためにも、必要な知識・技術を身につけて安全な飛行を心がけましょう。