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「何とかペイ」を試す毎日

2019年12月 2日

世の中に新しいシステムが取り入れられたら、とりあえず自分も参加してみる。
話題の施設が誕生したらまずそこに身を置いてみる。こうした姿勢は時代に乗り遅れないためにも必要だと思う。
 
令和元年は「キャッシュレス決済元年」として記憶されるはずだ。
消費税率引き上げの対策として政府がポイント還元の手段としてキャッシュレス決済を奨励したこと、外国人観光客が増えたことで日本以上にキャッシュレスが進んでいる国が多いだけに多くの店がその対応を迫られたことが大きな要因だ。
私の通う病院もクレジットカード払いが採用されたし、調剤薬局もポイント還元に熱心で、医療の分野でさえ決して例外ではなくなってきた。
 
10月1日に合わせて、私もLINEペイ、PayPay、楽天ペイ、それにコンビニ系のファミペイ、セブンペイ(その後廃止)を準備した。ただ銀行口座からのオートチャージはもしスマホを紛失するなどした時のトラブルに不安が残るので、ATMや店頭でその都度一定金額を現金でチャージする方法を選んだ。
 
まず驚いたことがある。
1部180円の新聞をコンビニなどでキャッシュレスで買うと178円、150円新聞は148円なのだ。
新聞という商品は再販売価格維持制度で安売りがあり得ない商品、今回の消費税引き上げでも軽減税率が適用されている商品だから政府が補助するはずもない。新聞が定価より安く買えたのは人生はじめての経験だ。
わずか2円のことだがこれは驚きだった。
この2円はキャッシュレス会社が負担していることになる。
 
もちろん新聞だけではない。キャッシュレスで買物をすることで毎回数円から数十円程度の値引きになる。
あるいはキャンペーン商品を購入するとかなり高い割引率が適用されたりおまけがついたりと、サービス合戦が繰り広げられている。
いまのうちに利用者のシェアを獲得しておこうという戦略が読み取れる。
 
この新しいシステムの利用にはまだ否定的な人もいるようだ。
しかしここにきて銀行ATMの稼働率が落ち、閉鎖廃止の動きが出てきた。
ATMを銀行間で共通利用する試みも始まった。ひところ銀行の有人店舗が減少し、ATMだけのコーナーが増えたが、銀行がATMを自ら設置しなくてもコンビニATMのほうが営業時間も長く便利、ということになってきた。
平成の時代多くの小売業がコンビニにとってかわったが、今度はキャッシュレス決済も加わり銀行店舗まで消えかねない雲行きだ。
そうなれば否応なくスマホのキャッシュレス決済を利用せざるを得なくなるかもしれない。
平成の30年間に起きた変化は令和の時代には10年で起きる予感がする。
 
平成の最初のころ映画「男はつらいよ」で寅さんは旅先から妹のさくらに近況を伝える時、公衆電話を利用し、たくさんの10円玉を用意していた。テレホンカードも使わず、ましてケータイなど夢のまた夢の世界だった。
いつの間にか公衆電話が姿を消したように、銀行のATMが姿を消せば私たちのライフスタイルも大きく変わるに違いない。
 
頭を柔軟に、固定観念にとらわれない。そう言い聞かせながらスマホ決済にも挑戦する毎日だ。