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ネットが変える街の風景

2020年2月17日

平成の最初のころ、まだケータイは普及していなかった。
ウィンドウズ95が出ていなかったからパソコンさえ一般的なものではなく、メールもインターネットも存在しなかった。
それから30年、急速なネットの普及で世の中の風景は様変わりした。
ネット通販の拡大で、多くのビジネスが淘汰された。
今年は5Gが実用化されるという。高速大容量の新世代通信が広まるとさらに時代は大きく変わると言われている。

平成の最初のころ、私は多くの経営者とともにアメリカのショッピングセンターなどの視察にたびたび出かけた。
ホテルや遊園地まで併設した大型のショッピングセンターは一つの都市ともいえる威容を示していた。
そこには様々なカテゴリーキラーと言われる専門ディスカウンターが軒を連ねていた。
しかしいまやアメリカではショッピングセンターは空き店舗を埋められず閉鎖も相次いでいる。
言うまでもなくネット通販がリアルの店舗を席巻している。
家賃や人件費をかけてショッピングセンターに出店するよりもネット通販のほうがコストがはるかに安い。
同様に証券会社や保険会社、また旅行代理店などのサービス業もネット販売に比重が移ってしまった。

平成の30年間に起ったことが令和時代には10年で起こる。その第一歩が5Gだろう。
まず最初に起ることは銀行店舗やATMの激減である。
ネットバンクとコンビニATMの普及、キャッシュレス決済の普及などで銀行が自らATMを設置する必要がなくなってきた。
平成の最初のころ有人店舗が無人店舗になると騒がれたが今度は無人店舗さえ消えるのだ。
次に全国の駅前にある塾の淘汰が始まる。小中学生が持つスマホに有名塾講師の授業が一律動画配信されるようになる。
塾も家庭教師も不要になるのだ。
すでにスマホゲームにより若い層はパチンコ店離れが進んでいる。
現在全国の駅前には金融機関、パチンコ店、学習塾は必ずと言っていいほどあるが、これらが近い将来消え始める可能性が大きい。
そうなれば街の風景はどうなるのだろうか?

平成の時代商店街の衰退が大きな問題となった。
中心商店街が郊外にできたショッピングセンターに駆逐されると皆が騒いだ。
しかし今やショッピングセンター自体も冬の時代に入ろうとしている。
そして駅前にかろうじて残っていた業種もネットの影響を免れなくなりそうだ。
街から賑わいが消えてゆく。
それを果たして進歩と呼べるのか。
私たちに突き付けられた課題は大きい。