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戦後最大不況を覚悟しよう

2020年3月 9日

今回の新型コロナウィルスによる経済の停滞は、日本はもとより世界経済に戦後類を見ないような深刻な影響を与えると予想する。
特に日本では土地バブルの崩壊が起きる。
ここ数年日本では東京や大阪、福岡など大都市と、ニセコ、石垣島などリゾート地を中心に土地価格の上昇が起きていた。
その大きな要因は「外国人」であった。
オリンピックや万博をはじめ外国人観光客を当て込んだホテル開発、渋谷や高輪、麻布台に大手町などで顕著な外資系企業のオフィス需要に期待する高層ビル建設ラッシュ、そして乱立タワーマンションでは上層部の高額物件を中心に中国人などによる
投資目的の購入がブームをけん引していた。
こうした「外国人需要」が一気に引いたのである。
設備投資低迷のなか、金融機関はこうした不動産投資への後押しに熱心だっただけに、
今回のコロナ騒ぎで一気に融資が焦げ付くことが予想される。

五輪の開催も難しい。
いくらIOCや日本が五輪を強行開催しようとしても、世界各地でのウィルス感染が収まらなければ選手受け入れが難しいし、また各国が日本への選手派遣を行わない可能性も大きい。まさか五輪を無観客開催というわけにもいくまい。
五輪の経済効果はもはや期待できそうもない。
そうでなくても日本は消費税引き上げ後の消費の落ち込みに直面していた。
消費税が導入されて30年。日本の消費を支えてきた団塊の世代は30年前は40代前半だった。
子供は学齢期、住宅や車の購入に旺盛な年代で、消費税導入や税率引き上げの前に駆け込み需要もしてきたはずだ。
しかしその世代もいまや後期高齢者年齢に近づき、消費意欲に乏しくなり税率引き上げ前に駆け込み需要すら発生しない。
年金暮らしだから増税があればひたすら消費を切り詰める。
高齢家庭ではもともと食料品以外はあまりほしいものもない、主たる収入年金という家庭の割合が今後減ることはないから、消費税率変更の影響はそのまま需要抑制につながってしまう。

こうした構造的ともいえる要因を抱えて不況に突入していたところにコロナ不況が突然押し寄せてきたわけだ。
景気の気は気分の気である。
出かけることもままならないときに車や洋服、靴を買おうとも思わないだろう。
旅行や外食関連産業は絶望的だ。スポーツジムも閉鎖していれば新しいウエアも買うまい。
企業活動も低迷、しかも明確にコロナ禍が去ったという宣言を出すタイミングは極めて難しい。
外国人の観光需要もなく、最低でも今年夏までは経済が事実上止まったような状態が続く。気がつけばもう秋風が吹いているかもしれない。