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★100年に一度だから、やらねばならぬこと

2020年6月 2日

今回のコロナ禍は日本と世界の経済にこれまでにない悪影響をもたらしている。
すでに閣僚の間からも100年に一度の危機という言葉が聞かれるようになったが、その認識は間違っていない。
100年に一度という意味は1929年の世界恐慌以来ということを意味しているはずだ。
アメリカではテネシー川のダム建設やエンパイアステートビルの建築など失業者救済の事業がルーズベルト大統領のもとで行われた。
いわゆるニューディール政策で、政府は失業者を救い社会保障を充実させるという福祉国家の役目を担うこととなる。
今回のコロナ不況はその世界恐慌を上回る事態だ。
ならば政府はいま何をすべきか。
1929年の恐慌と、戦後最大と言われたリーマンショックの共通点は株価暴落や金融破綻から始まった。
しかし今回の不況は観光や小売業が仕事を失ったことから始まった「需要の喪失」に大きな特徴がある。
 
日本では年間3000万人あまり来ていた外国人観光客が突然ゼロになった。すでに人口減少、高齢化も進んで縮小トレンドだった国内需要、それを補っていた外国人消費まですっかり消えたのだから、コロナ禍緊急事態が解除されても需要回復はとても期待できない。
昨年の消費税率引き上げや2020年のオリンピックを目指していた建設需要の一巡などもあってコロナ以前から景気後退は始まっていた。
それではどうしたら打開できるか。
これまでの経験則にはとらわれない政策、「ニューニューディール」が必要だ。
 
まず消費需要を大きく底上げしなければならない。今回は災害時のような復興需要というリバウンドは期待できない。先行き不安から住宅や車など大型消費を拡大させる動きもない。また海外に活路を見出そうにも経済の落ち込みは世界共通だから輸出も伸びない。
私は消費税を一度ゼロにし、数年後に3%、5%、8%と変更し10年後に10%に戻すことを予告することが一番即効性がある対策だと考える。一律給付金も大切だが国民皆に行き渡るのに時間がかかりすぎる。それと並行して「消費税ゼロ」というインパクトがあり、すぐにできる政策を併用すべきなのだ。ゼロから次第に利率を上げていくごとに駆け込み需要も喚起できる。
 
消費税は既に使用目的があり、今ここでそれをなくすと財政にゆがみが生じるという財務省の発想は「平時のもの」だ。
世界恐慌のころ経済学者ケインズは「ヘリコプターで空から紙幣を撒け」と言ったとされる。
今国がやるべきことは、消費税をゼロにしてでも経済を蘇生させることで、これこそ「ヘリコプター紙幣バラマキ」に匹敵する。
財源は国債だ。今は戦争だ、というなら「戦時国債」を発行し、日銀が買いうけに回る。悪性インフレの心配はもちろんある。しかし仮にそうなればデノミや通貨呼称の変更,新券発行といった非常手段も取ると腹をくくる時だ。
100年に一度という言葉の裏にはそこまでやる決意がなければならない。
これまでの政策では通用しない、新しい政策を発明するときなのだ。
 
「私たちがすることは これがどんなに ささいなことであっても
すべてはある意味で 発明なのです」
                エリーズ・ボールディング