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★べたべたサービスの日本旅館にサービス料はない

2020年8月31日

濃厚サービスはコロナ禍ではマイナスだ。
コンビニでモノを買っても「いらっしゃいませ」「ありがとうございます」さえ言わなくても用が足りるようになった。
キャッシュレス決済、レジ袋有料化でスキャナー一つで精算は完了する。
なまじ声がけするとかえって嫌がられるご時世に、百貨店などはどうすればいいのだろうか。
ホテルのフロントなどでもロボットなど機械による案内やチェックイン業務が取り入れられるようになった。
介護の現場でも作業を敬遠して離職が相次ぎ、ロボット介護もやむなしとなりつつある。
宅配便なども玄関先に荷物を置くだけで接触を避けるなど、いかに人と人の接触を減らすことがいいことという風潮になりつつある。
今後コロナ以後の経済でサービスとは何かが問われてくるはずだ。
 
そういう目で見ていてあることに気が付いた。
ホテルやレストランにサービス料という勘定項目があるのに対して、日本旅館では、べたべたサービスを売り物にしているところでも料金体系にサービス料が別建てになっていない例が多いような気がする。
 
宿泊代金は一泊2食で35000円(税別)と言った設定で、仲居さんがどんなに気が付くサービスをしてもしなくても、そのサービスは別料金にならないところが多いのではないだろうか。
私が知っているある名旅館では、上得意顧客はデータ管理がなされクレームがつかない限りいつも同じ仲居さんが部屋係を担当する。
浴衣に着替えると服を預かり翌朝までにアイロンをかけ、脱いだ靴は磨いておく。
料理の好みは把握し、会話もそつなく、余計なことは聞かない。
朝部屋には好みの新聞を数紙持ってきたうえ、帰りの送迎バスに見送る時に「新幹線の中でお読みください」と別のスポーツ紙を渡す・・・。
この仲居さんに個人的にチップを渡すことはあっても、旅館としてサービス料は請求しないのだ。
コロナ禍で濃厚接触を避ける時にこのサービスは変わらずなのか、変えざるをえなかったのか、是非確かめてきたい。
 
日本は今後世界に観光大国としてアピールしようと考えてきた。
東京五輪の年に年間4000万人の外国人観光客を誘致することを目標にしていた。
日本の宿泊施設をはじめとする「おもてなし」が素晴らしいという評価が世界に高まれば、新しい日本の輸出商品として「日本式サービスのホテルやレストラン」がクローズアップされ世界中に日本式サービスが広まることも夢ではないと思っていた。
コロナが去れば多少遅れてもやがてそういう日が来ると信じたい。
それだけに、コロナごときで日本的おもてなしを変えてほしくないのである。
現在は緊急避難でやむを得ないにしても、日本人の心温まる笑顔と言葉を添えたサービスを変えないでほしい。
それは日本の文化であり、無言で接客するのはやはりおかしいという感覚を私たちは変えずに持ち続けなければいけないと考える。