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★筒美京平の時代

2020年11月 5日

先日「NHKスペシャル」が昭和の偉大な作曲家、筒美京平を取り上げていた。
「ブルーライトヨコハマ」「また逢う日まで」「ギンギラギンにさりげなく」「木綿のハンカチーフ」「魅せられて」など昭和の大ヒット曲を次々に世に出した天才だが、自らはほとんどテレビなどに登場することはなく、黒子に徹していたという。確かにこの番組でもインタビュー映像などはほとんど出てこなかった。多くのヒット曲をたどると、その時々の私自身の生きた時代がよみがえってくる。私の年齢でいえば、中学生のころに「また逢う日まで」、高校を卒業したころに「木綿のハンカチーフ」、大学生のころ「魅せられて」といった具合だ。
ところが、この天才も平成の半ばころからヒット曲が出なくなる。時代が求める音楽の変化がその背景にはあったようだ。今回のテレビ番組では大ヒット曲の紹介に紅白歌合戦の映像が使われていたが、まさにこの番組がお化け視聴率を誇っていた頃の映像でもあった。
筒美京平の神通力が途切れだしたころ、この歌番組も人気の低下に悩みだしたことはさすがにNHKの番組では語られていなかった。
 
番組では、「木綿のハンカチーフ」という曲は、通常は曲が先にできて後から詩をつける従来のスタイルを逆転させ、松本隆の詩を見て、あとから筒美京平が曲を付けたというエピソードが紹介されていた。
田舎の若者が都会に出て、やがて都会の絵の具に染まってゆくというストーリーは、当時の高度経済成長の伝説そのものでもあった。
曲の冒頭に印象的なメロディで一気に歌の世界に人々を引き込む筒美京平の手法は、聞き手の心を一つに引き寄せる魔力を秘めていた。
平成に入りバブルが崩壊成長神話も終焉する。
喪失感がこの国を襲いだすと、社会のほうが次第にそうした曲を受け入れられなくなってきたのかもしれない。
お化け視聴率番組の時代からSNSで個人が発信する情報に関心が集まる時代。
プロの作り手の洗練された技法より、素人映像のユーチューブのほうに「魅せられて」、「ギンギラギンにさりげなく」受け入れられる時代。
歌は世につれ、今後どんな発展をしてゆくのか。
筒美京平の盟友、作詞家松本隆の表情が暗かったのがこの番組では印象的だった。