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★御事始め 針供養

2021年2月 8日

2月8日は「御事はじめ(おことはじめ)」と言って、厄日として一日仕事をせずに過ごす一日だった。特に女性の仕事の代表的なものは針仕事だったので、この日に神社やお寺で折れたり古くなった針をこんにゃくや豆腐などに刺してこれまでの感謝を込めて供養する習わしがあった
「針供養」と言われてもいまの若い人にはピンと来ないかもしれない。
昭和の中頃まで裁縫は家庭の女性にとってたしなみとされ、嫁入り道具にはミシンと言われたものだ。戦後もそのミシンを購入するために積み立て金制度というものもあったことを記憶している。
いまは趣味にしている人はともかく家族が着る洋服を手作りするという家庭は減った。
服が貴重で高価な時代は一着の服を何回も繕って着続けたり、兄姉の服を弟妹がお下がりとして着るということも多く、裁縫作業が家庭内の大きな仕事だった。
それを考えるといまは既製品が驚くほど安く大量に出回っている。
世界中の低賃金国で作られた衣服が輸入され、手間や材料費を考えればあらたに購入したほうが安い時代になった。
以前ベトナムの縫製工場に取材に行ったことがある。
体育館ほどの作業場にずらりと並んだ日本製の工業ミシン。そこで現地の女性たちが作っていたのは日本の和服だった。成人式や卒業式の需要を賄う和服生産はベトナムが多いと聞いて驚いたものである。
日本のアパレルメーカーによると、ベトナム人は大変几帳面で、作業前と後に針の本数を確認して紛失などが極めて少ないそうだ。万が一製品に針が混入したりすれば製造物責任上大問題になるので、生産を移転するときにそうした国民性も重要なポイントになるという話だった。
針供養という日本の古来の行事も彼の国では受け入れられるかもしれない。