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★「たら・れば」の希望的観測

2021年2月12日

「たら・れば」は現実社会では通用しない。
しかし現実には都合の良い解釈で「たら・れば」がまかり通る。
「・・・だったら」「もし・・・であれば」
100年に一度の国難なのに、なぜ30年前のバブル時代に戻ったかのような株価の上昇なのだろうか。
まずは中央銀行のこれまでの学習効果としての超金融緩和によるものであることは言うまでもない。これはいい悪いはさておき、現実の裏付けがある株価上昇要因である。
次に、予想以上に製造業の回復が早く、業績向上を追認する株高、と言うのも納得できる。
ただ、不思議なのはコロナにより業績が悪化している企業の株価まで上がりだしている。それについて、今が最悪期だが今後ワクチンの普及により経済環境が好転することを見越した上昇であると、専門家は説明する。
要は業績が良くても悪くても株価はみな上がっているのだから、理屈は後付けでも文句はないだろうということのように聞こえる。
しかし、2月から日本でもワクチン接種が始まったとしても、希望する国民皆に行き渡るのには相当長い時間を要することになりそうで、夏までに行き渡れば、という政府の目標はあくまでも「たら・れば」にすぎない希望的観測であることが明らかになってきた。
一つはワクチンの国際的奪い合いである。
さらに冷凍温度を維持しながらのデリバリーの難しさである。
実際の接種をどこでどのように行うかという点でも全国の自治体は困惑している。
これは戦争だ。
戦争で最も大切なのはロジスティックスである。そうしたマネジメントがワクチン接種では機能しそうもない。
ワクチン接種と、それによる効果が出るのが遅れれば、経済復興はまさに「たら・れば」で終わる。
期待値が大きかっただけに反動も覚悟する必要がある。
今の株式市場は、「超」が付くくらいの楽観論の上に成り立っている、と私は考える。砂上の楼閣はやがて崩れるものである。