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続 マーケティングとは買う気のない人に買わせる知恵

2021年4月 6日

 福袋の人気が急落し今年正月は売れ残りが続出したという。コロナの影響だけではなさそうだ。メルカリで転売など本来以外の目的購入が広がりすぎ、目新しさもなくなったのだろうか。
「開業当初からずっと残っている」「強気な発注姿勢が見事裏目に」―。これらは、東京スカイツリーのふもと「すみだ水族館」の土産物売り場が、不人気の商品に付けたキャッチフレーズだ。これがSNSで話題となり完売を果たした。販売をしたのは「売れ残りガチャ」。ぬいぐるみ、マグカップ、文房具などの売れ残り商品を箱に入れて並べた。箱の表には、想像力をかきたてるキャッチコピーだけが書かれ、商品の具体的な説明はない。箱を開けるまで何が入っているか分からないスリルや期待感を、ガチャっとダイヤルを回すと商品が出てくるカプセル玩具になぞらえた。言ってみれば福袋である。大きさや形が違う箱は、どれも1個500円。「あなたが想像するペンギンポーチではない」「クオリティは高い。クオリティは高い。大事なことなので2度」。売れ残りでも、魅力ある商品であることを強い調子で訴えかける。「売り方が正直」「中身を隠されると途端に知りたくなる」と話題になった。予想以上の売れ行きに、商品よりも先に肝心の箱がなくなるほど無事予定数を完売した。
 もう一度やっても同じ結果は出ないだろう。「マーケティングとは買う気のない人に買わせる知恵」である。いかに次の「物珍しさ」を演出するか。コロナの時代に「縁日そぞろ歩き風 仲見世冷やかし風消費者」を店頭ではなくネット上で取り込めるかがポイントである。