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★富良野が寂しさに泣いている

2021年4月 7日

時代は高度成長からオイルショックを経てバブル時代へと突き進んだ頃。
北の大地も離農あり、バブル景気で大規模牧畜業が推奨されたり、そしてまた夢破れたりと激しく揺さぶられた時期。
東京から父の故郷で暮らすことになった親子三人にあてがわれた家は、電気もガスも水道さえもなかった。
友達がテレビで紅白歌合戦を見ているとき、この親子は寒さをしのぐのがやっとの暮らししかなかった。
それでも父、黒板五郎は優しく二人の子供、純と蛍に接した。
キタキツネやリスを友達にたくましく成長してゆく兄と妹に日本中が感動した。
そして何より富良野の自然の素晴らしさが日本全国はもとよりアジア近隣諸国にまで知れ渡り、北海道インバウンド観光のメッカと言われるまでになった。
切れる男ではない。
ダメおやじだけど愛嬌があり、心優しい父親を演じた田中邦衛さんが亡くなった。
私は富良野のロケ地を何回も訪れている。
東京の繁栄の対極にある北海道の原野で生きる厳しさ、そこにこだわる倉本聰さんの考えに深く傾倒した。
繁栄には貧困で、権力には草の根で、大には小で、けっして声高でないけれど底辺で生きる人のたくましさを描こうとする倉本哲学の体現者として田中邦衛さんは欠かせないキャラクターだった。
とかく自己主張が強い役者の世界で、控えめながらも自分の立ち位置を理解し、自然流で演じられる名優がまた一人消えた。