「西村晃のマーケティングの達人 大繁盛の法則」企業経営・売上アップのヒントを提供

今週のズバリ

仕掛けのすばらしさ

2012年1月30日

バレンタインデーを前に恒例行事となった新宿伊勢丹の「サロン・デュ・ショコラ」に行ってきました。まず、まだ行ったことがないという方はとにかく会場を覗いてみてください。
30日までやってます。今年で10回目となるこのイベントは、世界のショコラティエ・パティシエが会場に大集合。「彼らの素顔、至高のショコラ、そのすべてを味わい尽くしてください」がキャツチフレーズ。いまやチョコレート職人は世界のスター。人気、知名度、尊敬、所得、どれをとっても大統領を上回り、一流サッカー選手も及ばないほどの人気なんだとか。
サインを求める列、列・・・。
伊勢丹の7階から階段づたいに行列は一階まで、フランスのお菓子の祭典は日本ですっかり定着しました。売られているチョコレートは生チョコがほとんど、ひとかけら数千円もするのですが、日持ちは数日間。つまりバレンタインデーまで持ちませんから、男性にプレゼントするのではなく、女性が自分で食べると思われます。男性プレゼントよりも高いと思われるチョコがこんなに売れるとは・・・・。
このイベントをやらなければ売上はゼロだったはず。これって不況ですか?
知恵のない人が何もしないで不況と言っているだけです。

責任をとるリスクから成功も生まれる

2012年1月23日

先週釧路に行ってきました。
釧路川のたもと、幣舞橋近くにある「フィッシャーマンズワーフ、ムー」はできてから10年あまり、観光客を中心に海産物などの土産物やレストランフロアーでは飲食を提供して来ました。毎年のように訪れていましたが、近年来店者が減り活気が失われているのが気になっていました。
当初はセゾングループが経営に参画していたものの撤退、第三セクターの運営で空き店舗に公的機関を入れるなどしてはいますが、舘全体の基本コンセプトとかけ離れ何のための施設か分からなくなってしまったようです。
喫茶店を経営する女性の話。
「東日本大震災の津波で一階が水浸しになり1ヶ月閉鎖を余儀なくされて、これを機会にテナントが退店したことでますます沈滞ムード。偉い人がお役所からきて運営会社から給料はもらうけど何一つ集客のアイデアを出せずすぐに次の人と交代してゆく。私達は貢ぐだけ。家族経営で細々やっている店しか残っていないわ」
ここに限らず第三セクターで観光施設を運営しているところはだいたい似たり寄ったりのようです。
第三セクターはうまくいけばいいですが、ダメになると責任の所在がはっきりせず、新しいアイデアが出なくて失敗してしまうことが少なくありません。
もともと行政を一枚かませたのは公的資金をあてにしてのこと、そこを役人が天下り先と目をつける。しかしもともと経営センスがあれば役人になろうとは思わないものです。
役に立たないのが役人ということになるのが三セクのとどのつまり。
ビジネスは責任の所在がはっきりし、リスクを自ら背負う人がトップに立ってこそ初めて成功するのだと思います。

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ガラガラポン

2012年1月16日

野田改造内閣がスタートしました。
民主党政権になって2年半、総理大臣もお粗末でしたが、あまりにも軽量の大臣たちが失言を繰り返して次々に辞めていきました。
問責決議は法的拘束力はないと言いながら国会対策上やはり辞めさせなくてはと今回この時期の改造となったようです。
目玉は岡田副総理。
頑固もので自説をまげない融通の効かない人という評価があります。この人も野田総理も自説の増税路線は曲げないでしょう。
マニフェストから一転増税を政権公約にした野田政権ですが、国会は野党はもちろん与党内にも増税反対勢力がいますから、まず国会可決は難しい状況です。
そうなると反対派の離党や内閣不信任案の可決は現実のもとになります。
自説を曲げない野田・岡田内閣が総辞職する可能性はありませんから解散総選挙は必至とみます。
そうなれば単なる与党が勝つ負けるという話ではなく、増税賛成と反対で民主党はもちろん自民党も分裂する大混乱、いわゆるガラガラポンが起こることになりそうです。
頑固副総理岡田就任により、いよいよこの線路を走り出したと解釈します。
ただねじれ国会で何もできなかった近年の政治の堕落を思えば、カオスの先にようやく収斂の光が射してきたと私は考えています。

ダメでもともと、一声三秒

2012年1月10日

今年最初の「今週のズバリ!」は、ズバリ、私の人生訓です。
大学4年の就職活動のときに話はさかのぼります。
内定をもらったある小売業で、就職訪問解禁日に「拘束」にあい、他の企業訪問ができなくなりました。
会議室に監禁された一日、時間つぶしに見せられた社内報ビデオで「この夏最もエアコンを売った女性販売員」がインタビューされていました。
「接客のコツは?」
「ダメでもともと。一声三秒です」
なんと簡にして要を得た答なのか、と思いました。
あれから30年以上、いつも苦しい時に私の頭の中にこの言葉があります。
どんなにつらい営業でも、交渉でも、お願いごとでも、憶してはだめです。
まずトライしてみる。その積極性が道を切り拓きます。
今日、経営環境はことのほか厳しい。
黙っていれば、何もしなければ不況、なのです。
とにかくドアは叩いてみなければ、決して開かれません。
ダメでもともと、一声三秒。
この積極さがエアコン販売ナンバーワンの女性を支え、そして私の人生も支えてくれました。
就職訪問初日。
人生でいちばん大切な日に出会った言葉。
残念ながらその小売業とは縁がありませんでしたが、あの時頂いたこの言葉が、その後の私を支えてくれています。

激動の年の幕開けにあたり

2011年12月26日

2011年末、アメリカがイラク戦争終結を宣言しました。
サダム・フセインもビン・ラディンももうこの世にいません。
2011年はカダフィもそして金正日もいなくなった年、と歴史には記憶されるでしょう。
かつて悪の枢軸とアメリカが呼んだ悪役スターが一掃され、地球に平和がもたらされ、人々は明るくクリスマス、新年を迎えられたかといえば、けっしてそうではありませんでした。
ギリシャやポルトガルから始まるユーロ危機、盟主のはずのアメリカの凋落。
そして戦後経済をアメリカの側面で支えてきた日本は、経済停滞と震災や原発事故で輝くどころではなく、ドイツもユーロ経済混乱の前に立ち往生しています。
発展途上国の経済は、まだまだ「のびしろ」はあるように見えますが、百花繚乱と言うよりは群雄割拠でまとまりがない、と言ったほうが実態に近いでしょう。環境保護や貿易の枠組みを話し合っても、まとめあげるのは至難の技です。
ただ、いまが最悪の時かといえば私はそうは思いません。
まず、いま世界で戦争は小さな地域紛争を除けば起きていません。
これは世界の歴史でかなり珍しいことなのです。
かつて帝国主義列強が植民地を求めて戦争を仕掛け合いました。その目的は「安い労働力」と「豊かな市場」でした。
しかしいま私たちの国は、豊かな市場と安い労働力を求めてアジアを中心に一発の弾丸も撃たずに進出しています。
しかも地元の国々は反発するどころか歓迎さえしているのです。反日運動と言ってもそれは限定的で、いまほど日系企業が海外で展開しているときはないのに企業排斥運動は起きていません。
例えば日本国内の市場は閉塞状況で、小売り業の海外進出が加速しています。アジアで地元の人たちを雇用する。建設費用などをドルなどで払えば円高は有利、地元の商品もあるけれどかなりは日本の商品です。その結果日本にある本社が日本国に税金を払うならば、それは国土が広がったのと同じと言っても過言ではないはずです。
円高は日本拡大のラストチャンス、と私が見る理由もここにあります。
日本国内から工場が海外に移転して困ったといいますが、かつて北海道や九州に仕事がなく大都市に集団就職などで職を求めた人たちは、夜汽車で10数時間もかけて移動することがざらにありました。いま国内に夜汽車はほとんどなく、同じ時間飛行機に乗れば世界のほとんどの国に行くことができます。
時間距離は大幅に縮まったわけです。
本当に自動車会社で働きたいと思えば、国境を越えて海外の日系自動車企業や外資系企業で働けばいいのです。そして空洞化とは言いますが、国内にはそれに変わる新しい産業も生まれています。
いまや世界的に知名度を上げている「ユニクロ」は中国で生産し、ニューヨーク、パリ、ロンドン、ソウルをはじめ世界の大都市で売られています。
中国の工場で雇用を生み、世界各国で日本的なサービスをする販売員が接客にあたっています。日本で廃れたはずの繊維産業でこんなに世界的な雇用を生んでいるわけです。東レとの共同開発で知られるヒートテックのような最先端技術も世界で評価されています。
その東レは、また炭素繊維でアメリカのボーイング787型機の胴体を作りました。繊維産業がまさか航空機の重要部品を担うようなことになるとは、夢にも思わなかったことではないでしょうか。
ボーイング787型機はメードインジャパンではありませんが、その部品の過半数は東レをはじめとする日本メーカーが生産しています。
アップルの「iPad」にしても、サムソンの「スマートフォン」にしても同じような状況です。メードインジャパンとは言われないものでも、日本のメーカーの技術が必要とされている、世界に日本の技術が広がっていることが「円高」の最大の要因だと私は分析しています。
「投機筋が不当に円の価値を釣りあげている」と新聞は書きますが、投機筋だって馬鹿ではありませんから、価値のない通貨をわざわざ釣り上げるわけがありません。
ギリシャやポーランドの通貨をわざわざ釣りあげる投機筋はいないでしょう。
ユーロやアメリカ経済と比べて、日本企業の技術力や商品力を背景にした経済力を買う「日本買い」が進んでいると考えるべきです。
しかし、楽観はできません。
私は日本の本当の危機は円安になったときに来るとみます。
日本の人口は減少し国内需要は減る一方。たとえば、中国の日本メーカーの工場でつくられた自動車を中国人が「元」で買うことが当然になれば、もはや「円」という通貨の需要はなくなります。
円の価値が減れば、円安が本格化します。
その時、この資源も食糧もない国がどうやって生きてゆくのか。
残された時間は少ないと言わざるをえません。
強い日本経済をいまのうちにどう作るか、まさに大切な時なのです。
2011年、電力不足を火力発電で補った日本は円高で救われました。
そのことをなぜか日本のマスコミは強調しません。
もし円安だったら、燃料の高騰で日本経済はもっと危機的状況になっていたはずです。
円高の今はまさに日本の仕組みを変える最後のチャンスです。
私は日本の最大の強みは「世界一口のうるさい消費者」がいることだと思っています。この消費者が企業を鍛え、また農業でもブランド米や高級果物などを開発してきたと思います。
そしてこれこそ世界で最も売れる商品です。
発展途上国でも富裕層が増えて、高級な野菜や果物、ブランド米を求める人が多くなります。
また自動車や家電製品も付加価値商品の方が人気が出てきます。
大量生産・大量廉売ではない高度付加価値商品を世界で売る日本でなければなりません。
また日本で開発したコンビニや宅配便などのサービスも、いまや世界が認めるものです。どちらもアメリカ発のビジネスですが、アジアをはじめ世界で人気があるのは「日本版コンビニ」や「日本版宅配便」です。
コンビニのふるさとアメリカで8万店あるコンビニは、国土がはるかに狭い日本で5万店を数えます。また新日鉄の従業員が12000人に対して、ヤマト運輸の国内雇用者は14万人です。
新日鉄のような高炉周辺に企業城下町があるのと違い、ヤマト運輸は礼文・利尻から石垣島まで従業員が散らばっています。いったいどちらが日本の基幹産業か考えてみてください。
日本食を世界で売るということもこの延長上にあります。
日本人の板前や寿司職人は世界で引っ張りだこです。
決して安直ではありませんが、日本の進むべきヒントはここにあると思います。
すなわち、新しい日本的産業で雇用と市場を確保するということです。

新しい日本的価値観で前進をはじめるときが来たと考えます。

 

 

 

犬を飼うことにしました

2011年12月20日

これまでペットを持つことが嫌でした。これは私の幼児体験に起因します。
しかし思うところあって、ペットショップにでかけました。
まず驚いたのが人の多さ。休日ペットを連れてショップを訪れる人の多いこと、かなり広い駐車場もクルマでいっぱいでした。
ペットの暖房用品、防寒具、クリスマスプレゼントにおせち料理とこの時期買うべきものがたくさんあることも初めて知りました。
しばらくゲージの前で悩み、結局もっとも元気よく跳び跳ねていた2ヶ月のヨークシャテリアに決めました。
私の場合、いまは犬が欲しかったというよりは、ペットとの暮らしを大切にする「GS世代」のマーケティングのためというのが本当の目的なのですが、さていつまでそんな建前を言い続けてられるか。意外にこんなオジンほどハマるのかもしれません。

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来年の話題、半蔵門ライン

2011年12月12日

渋谷を歩くと風景が変わったと感じます。
ヒカリエという巨大なビルが全容を見せるようになりました。
来年オープンする渋谷のこの再開発ビルは、オフィスだけでなく商業施設や劇場も内包し、これまでの「シブガキ隊」の街を一新させるインパクトがあると思います。
従来のハチ公口が渋谷の表玄関というイメージを変え、これまで比較的地味だった東口側が新しい「オトナの街渋谷」の表玄関に変わると予感します。

これまで東急東横店に入っていた東横線が地下ホームに入り、そこから東京メトロ副都心線とつながります。さらに東京メトロ銀座線の駅も変更されることになり、老朽化した東横店の建て替え、さらにはJR系商業施設の建設と、「渋谷改造計画」はこれからますます急ピッチで進みます。
この来年話題になる街、渋谷は、東京メトロ半蔵門線で押上とつながっています。
この押上がもう一方の来年の注目スポットであることは言うまでもありません。
東京スカイツリーです。
これまで地元の人以外はあまり目的をもって行くことがなかった押上ですが、実は東武、京成、都営地下鉄に東京メトロ半蔵門線と4線が結節する都内有数の交通至便なところであることもあらためて見直されるでしょう。
東京の西の渋谷と東の押上。
この集客競争が来年の大きな注目点。
半蔵門ラインから目が離せません。

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歳末商戦で考える

2011年12月 5日

師走に入りお歳暮も届きはじめました。
我が家でも空いていそうな日を狙って「コストコ」に行く計画を立てています。
クリスマスと正月を控え「IKEA」と「コストコ」に買い出しに行くのは我が家の定番になってきました。
両社は最初から日本に定着したわけではありません。
「コストコ」を初めてアメリカで見たとき、「こんなに山ほど日本人は買い物しないし、アメリカ製品を好むとも思えない。だいたい日本の冷蔵庫のサイズにあった売り方をしていない」
私の当時のメモにはそう書いてあります。

たしかに日本に来た当初の「コストコ」は私の予想通りでした。外資系の小売りが日本に来ても必ずしも成功するわけではないことは「カルフール」や「セフォラ」に「ブーツ」、「テスコ」を見ても分かりますし、世界一の小売り業「ウォルマート」と言えどもとても成功とは言い難いと思います。「コストコ」は日本に来て、アメリカの商品以上に日本のNBメーカーの商品を安く売ることに努力しましたし、またアメリカではほとんどやっていなかった店頭での試食販売にも力を入れました。日本人は本国アメリカで人気のコストコPB「カークランド」の安っぽい靴下やシャツに群がっているわけではないのです。そしてなにより、仲のよい主婦が一緒に買い物に行き駐車場でシェアするという光景はびっくりしました。生協の共同購入を想起させます。
「イケア」にしても一度日本から撤退した苦い経験をいまは活かしています。最初日本に来た時は日本人の身長や部屋のサイズを考えず欧米の家具を持ち込んで売れなかった、とCEOが語っています。私に言わせればそんな基本的なことさえ考えてこなかったのか、馬鹿にするなと言いたいところです。今回は研究してきたそうです。そしてなによりデリバリーや、家庭内での家具組み立てをヤマト運輸の子会社が有料サービスでやってくれるところが便利という点も見逃せません。マンションなどへの家具搬入や電動ドライバーもあまり普及していない日本で、いくら安く家具が買えても組み立てを簡単にできる家庭環境があるかは疑問です。外資系であっても、日本人にあったカイゼンがあって初めて成功する。自国のビジネスを持ち込んでも勝てるわけではないということです。
マクドナルドの成功は「日本マクドナルド」の成功であり、セブンイレブンの成功は「セブン-イレブン・ジャパン」の成功であるということです。
TPP以降の日本の生き方のヒントがここにありそうです。

日本人が外国人に勝って優勝するために

2011年11月28日

一年締めくくりの九州場所は横綱白鵬が13日目に早々に優勝を決めました。これで国技館を飾る優勝力士顕彰額から日本人はすべて消えてしまうそうです。
曙、武蔵丸の時代には若貴がいましたが、朝青龍、白鵬の時代に入ると日本人で対抗できる人材はいなくなってしまいました。
大相撲は日本の国技、まげを結い礼に始まり礼に終わる。神様への奉納相撲があり、優勝者には天皇賜杯が与えられます。
そこに大挙して外国人力士が参入してきましたが、その条件として日本の伝統文化を厳しく守ることを課しました。どんなに体格がよい力士でも土俵を広げることは認めませんでしたしインタビューは日本語です。外国人選手がお立ち台で自国語でインタビューに応じるプロ野球とはやはり違います。
外国人に門戸を開いたから日本人が弱くなったわけではありません。もし外国人の参入を認めていなかったら今頃大相撲はもっと衰退していたと私は思います。白鵬を見ていると日本人以上の責任感で横綱の地位を守ろうとしていると感じます。
野球やサッカーでも大リーグや欧州リーグに選手がたくさん進出するようになってジャパンチームの力が底上げされたことは間違いないでしょう。
ワールドベースボールクラシックの優勝やかつては夢のまた夢だったワールドカップサッカー大会に日本チームが出場することを疑う人はいなくなりました。
国境を越えた自由競争は競争に敗れる人を生むことも事実です。だから規制などで保護されてきた人たちからは反対意見がでます。しかしやがて本気になった激しい競争の中から真の実力を持つ人が生まれる可能性を信じるしかないと思います。
かつて柔道は日本の国技と言われ東京オリンピックでたった一つ金メダルを逃しただけで「講堂館柔道は死んだ」と言われました。
それから半世紀ちかく、いまや柔道は国際スポーツです。オリンピックの種目から野球がはずされても柔道ははずされないのは何よりの証拠です。その中で日本人が金メダルをとってこそ真のチャンピオンです。
やがて大相撲でも日本人が外国人に挑戦し彼らに勝つときが来ると信じたい。そのための戦略を考えることが指導者の役割です。

TPP問題をかさねあわせてこんなことを考えました。

Suica 10年

2011年11月21日

「通勤客で稼いできたうちにとって退職者が増えるこれからは危機的な状況です。その打開の切り札がこれなんです」 いまから10年以上前のこと、福島県の白河市にあるJR東日本の研修所で外部講師を引き受けていた私に、所長がこう切り出して見せてくれたものが試作段階の「Suica」でした。
「当面は改札口をスイスイ通れるからSuicaということでPRしていきますが、本当の狙いは駅の中はもちろん、広く街の中でも電子マネーとして、あるいはクレジットカードとして使える総合生活カードにする戦略を立てています。鉄道輸送業ではなく生活支援産業にJR東日本がなる秘密兵器なんです」正直、この意味をその時どこまで私が理解していたかは疑問です。あれから10年。
Suicaは11月18日、導入から10年を迎えました。
3746万枚を発行し、 まさにその後の駅ナカビジネスを支え、さらに街の中でも使用チャンスが増えて生活カードとして定着しました。あの時の話がかなり現実のものになっているのに驚かされます。
Suicaの発展は、並行してJR東日本の小売り戦略の進展を促しました。その象徴的なものが先日オープンした有楽町ルミネです。駅ビルの駅離れ、街にJRの経営する小売業が繰り出したのです。もちろん有楽町ルミネでSuicaが使えることは言うまでもありません。ただあまりのJRの小売りへの傾斜に、周囲の小売業からは民業圧迫、もともと鉄道事業のための国有地を小売商売に転用できるのだから、土地取得に多大の投資資金を必要とする民間商業が勝てるわけがないと、不満の声が聞かれます。閉塞日本の中で、もともと有利な競争条件のJRの独り勝ちに対して、これを問題視する声がこれからさらに高まってくることも予想されます。

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