「西村晃のマーケティングの達人 大繁盛の法則」企業経営・売上アップのヒントを提供

今週のズバリ

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雨が降ったら・・・傘を売れ

2020年4月28日

繁華街から人が消える。新幹線や飛行機に客が乗っていない。
映画の世界でもない限りあり得ないようなことが、生きているうちに現実になろうとは夢にも思わなかった。
経済が突然死したように急に活動を停止した。
旅行業、飲食小売業の被害は甚大だが、クルマや住宅購入などを控える動きは今後経済に深刻な影響をもたらすだろう。
さらに建設工事もストップし始めた。
緊急事態を先に宣言した東京、大阪、福岡、札幌は近年地価の上昇が際立ち、土地バブルが発生していたが、外国人観光客の減少による急激なホテル需要の冷え込み、外国人投資家のよるタワマン投資の引き上げ、外資系企業をはじめとするオフィス需要の減少による都心高層ビルの余剰発生により、バブルは一気に崩壊、金融破綻も覚悟しなければならない。
明治維新後最大の危機が日本を襲うとみたほうがいい。
もともと高齢化の進展による需要不足が消費税二けたにより一気に表面化、東京オリンピック景気も一巡して2020年は最大の経済危機を予想していた。
そこにコロナ禍が加わったのである。
災害や戦争ならば復興需要もあるだろうし、地球上どこか景気の良い地域に輸出をして国内の低迷を補うことも考えられるが、今回はそういう期待もない。
落ちるところまで落ちるしかないのだ。
政府はまず現金支給などで国民救済に乗り出すが、やがて一息ついたとしても
莫大な財政赤字のツケが後世に回される。人口減少高齢化ニッポンのツケのツケ回しは考えたくもないほど深刻だ。
また仮に感染者が減り始めて緊急事態を解除しても、ワクチンなど根本的治療が地球上に普及するまでは必ず二波、三波が襲ってくる。
普通の暮らしは5年は戻らないだろう。
いま窮地のビジネスは、普通の経済への回帰を待っていたのではその前に倒産・廃業を免れない。それがこれまでの経験則では通じない問題だ。つまりいち早く商売替えを決断しなければならないということである。
そこでダーウィンである。
種の保存のためには、変化対応しかない。
雨が降ったら、それを悔やんでも始まらない。
傘を売ることである。
わたしはいまマスクや抗菌剤を商う商売に自ら転換しようとしている。

「みんなが貧乏になる経済」でどう生きるか?

2020年4月20日

緊急事態宣言が出されてもコロナ禍が沈静化する兆しは見られない。
5月6日に宣言が解除され、普通の生活が再開されると思っている人は極めて楽観主義者だろう。
大相撲5月場所で国技館に歓声が戻り、東京ドームでビール片手に野球が楽しめると期待している人はまあいないだろう。
過去の疫病を見ても一時的に感染が下火になっても、市民生活が再開されると再び第二波の流行が始まることが多い。
ワクチンが開発され日本国民、そして地球上のすべての人に行き渡るまでコロナ終息はないとみるべきだ。それまでに数年はかかる。
来年に延期された東京オリンピックに再延期はなく次の決定は中止だろう。
長期間の経済活動のストップは私たちの生活に救いがたい悪影響をもたらす。
食料品以外の住宅や車あるいは衣料品への消費の関心は極度に落ち込んでおり、メーカー、流通、小売りすべての段階で産業としての衰退を覚悟せざるを得ない。
外国人観光客の激減はホテル投資の失敗、外国人投資家の引き上げはタワマン過剰建設の失敗、外資系企業の進出取りやめとテレワーク推進は都心のオフィスビル需要を激減させる。かくして非常事態宣言が出ている東京、大阪、福岡を中心に土地バブルが崩壊、金融まで棄損する心配がある。
今回の災厄に復興需要はない。
関東大震災の時、西日本経済は無傷だった。
第二次大戦には復興需要があったしアメリカなどの助けもあった。
石油ショック後はアメリカへ、リーマンショックの後には中国へと輸出拡大による活路があった。
そうした光明は、今回は一切ない。
私は明治維新以来最大の危機と考えている。
仮に数年後コロナ禍は一掃されたとしても、今回さらに傷んだ財政危機のツケが長期にわたり日本経済全体に重くのしかかってくる。
高齢化ピークの時期にこの重荷を背負って国を立て直すことは容易ではない。
今回のコロナ禍では、自国を感染から守ろうという動きが世界中に広まった。
また強権的都市封鎖などをする中で民主主義の根幹を脅かすような独裁も生まれている。
それぞれの国が自国の利益に走り出すと、やがて国際衝突の引き金を引く危険性があることも歴史が証明している。
まさに文明の危機に我々は立っている。
個人も会社も国もみんなが貧乏になることを覚悟する経済。
それを甘受したうえで、何をなすべきか。
元の生活に戻るのではなく、新しい人生観を構築せよと、コロナは我々に迫っている。

コロナ禍の後は、どうなる?

2020年4月13日

私の家の最寄り駅前に大手メガバンクの無人店舗があった。
いや、正確には今もあるのかもしれない。
2011年3月、東日本大震災の直後に「節電のため使用できません」という貼り紙が出て、以後シャッターが閉まったまま今日に至っている。
当時はともかく、その後「節電のために閉鎖された」とはだれも思うまい。
営業上必要がないから開けないだけだろう。そう言えばもう一つのメガバンクの無人店舗もこの3月で閉鎖され、利用者は駅の反対側になる支店まで足を運ばなければならなくなっている。
銀行は有人店舗が次々に無人店舗に切り替わり、さらに今や無人店舗さえ利用者がコンビニATMなどに流れ、消える運命になってきた。
 
今回のコロナウィルスで飲食店やホテルの売り上げ急減や在宅勤務の奨励など社会が大きく変わる兆候が見られる。
たとえば塾などは教室に通えないことからスマホによる動画配信が行われているが、やがてコロナ禍が去っても元に戻るだろうか。5Gの普及もあり塾のネット化は加速化、元教師が個人で開業しているような零細塾は淘汰されるだろう。
テレワークやテレビ会議の進展ももはや止まらない。そうなれば都心の一等地に次々作られている超高層のオフィスビルは果たして必要だろうか。
大型小売店の苦境、その分ネットショッピングへの移行が進む。ショッピングセンターなどの将来は相当に暗いと言わざるを得ない。
人と人の接触を避けるための知恵として、ロボットなどの開発が促進される。
いま日本の就業人口の7割以上が第三次産業だが、今回はその小売りサービス業への打撃が一番大きい。人ではなく機械による接客、無人店舗などへの転換の流れは一気に加速するだろう。
東日本大震災後の節電で止まった銀行の無人店舗が以後稼働されなかったように、今回コロナ禍の一時的避難のように停止した事業やサービスがその後二度と機能しなくなるということがあちこちで起きると予測する。
コロナ不況は、一年では終わらない。
乏しい財政から一回くらい国民に数十万円を支給して解決するレベルではない。
ましてマスク2枚など論外だ。
明治維新以来最大級の日本の国難になる。
日本だけではなく世界が「みんな貧乏経済」を覚悟しなければならない。
まさに文明史の転換点に私たちはいる。

自粛の先に広がる「みんな貧乏経済」

2020年4月 6日

突然「東京に緊急事態宣言が出される」というメールがどっと来た。出先にいてその信ぴょう性を確認できない環境にいたため次々に仕事のキャンセルのメールを入れてしまった。
結果的にデマに踊らされた人がたくさんいたようだ。
ただ、医師会や野党が政府に対して緊急事態宣言を出せと言った事実はあるし、いつ出ても不思議ではない環境であることは皆が承知しているから、デマを信じる環境にはあった。
大切なことは、日ごろから最悪を想定しておくことだ。
私で言えば、自分が感染して死ぬことも考えている。
あるいは会社内や家族に感染者が出たときのことも考えておかなければならないだろう。
これは何もコロナウィルスに限ったことではない。
いつ地震が起こるかもしれない。
まさかという坂はどこにでもあるものだ。
最近驚くことがある。
外出時にほとんど現金を持っていない人が多いのだ。キャッシュレス決済、クレジットカードもある。
現金なんて持ち歩きたくない。
しかし出先で大地震が起きれば停電し、クレジットカードもスマホ決済もATMも使えなくなるのだ。
噂でトイレットペーパーを慌てて買いだめに行くのは愚かなことだ、
平時から半年分くらいのトイレットペーパーを買っておく買いだめならだれにも迷惑はかからない。
マスクもしかり。平時のバーゲンで買い足しておけば何も問題は起こらない。
数十万円の現金をいつも家にはおいておく。
昔と違いいまは全国5万軒のコンビニにATMがある時代だ。
もし外出禁止令が出ればそこに現金を補給する警備会社の社員が出勤できず十分な現金を津々浦々に補給することが遅れかねない。
全国どこかで少しの間引きおろしが止まっただけで、この国はたちまちSNSで拡散、パニックになる可能性がある。
ガソリンもしかり。
タンクローリーの運転手が出勤できなければ、ガソリンスタンドは閉鎖に追い込まれる可能性は高い。
食料品小売業とドラッグストア以外のビジネスが止まるということを考えておくことだ。
宅配便がいつもと同じ便利さで届けばいいと思うほうがおかしいだろう。
宅配便会社の社員が出勤できないのだ。
電話一本で宅配ピザが届く?
ピザのパッケージの会社は出勤停止なんですよ。
デマに慌てることなく、冷静に先を読む。
緊急事態宣言が出ても出なくても、いかようにでも対応できる心構えを日常から持っておけば慌てることはない。
国は60兆円規模でコロナ対策?
たとえ10万円各家庭に現金給付しても一回だけのこと。
それで家庭が救われるだろうか?
経済が元に戻るまで何年かかるのだ?
100兆円くらいの国家予算の国で60兆円かけて、
それで効果なかったら・・・
後は借金の山、K1の補填を税金でできる?
そうしたら相撲やプロ野球も税金で助けるの?
消費税20%にするんだろうか?
コロナ禍の先にあるものは世界中が貧乏になるということだ。
もともと貧しい人、非正規雇用の人だけでなく、企業倒産が増え大企業でも中高年のリストラは加速され、テレワーク在宅勤務の普及はホワイトカラーの人員削減のいい口実になる。
リアルの小売業はネットへ、観光業などサービス業は壊滅的打撃。おまけに土地バブルが崩壊して不動産大不況は目前、何しろホテルもオフィスビルもタワマンもニーズが突然消えたのだ。
復興需要はないし、世界の成長国へ輸出すると言ってもそんな国は地球上にない。
地球上の国も国民もみんなが貧乏になる図式だ。
それを覚悟し、そのうえでどう生き抜くか戦略を構築する。
安穏をむさぼっていたツケである。
慌てるな、日ごろから最悪を想定せよ。
戦場にいつでも便利なATMがあって、欲しいだけ現金が引き出せるわけないのだ。

 

五輪延期の先にあるもの

2020年3月30日

先が見えないダッチロール状態の世界経済である。
これまでの経験則では予想もつかない局面に、みな途方に暮れている。
私はウイルスワクチンが生産され、新型コロナが地球上から消えるまで相当時間がかかるとみている。
そして外国人観光客が元に戻るのにはさらに年数がかかるし、世界の投資意欲がしぼみ、外資系企業の日本進出や、タワーマンションへの投資なども当分冷え込むと思われる。
オリンピックやインバウンドブームという投資対象がなくなり、さらにテレワークの推進や不況による雇用調整の波も来るので膨大なオフィス需要が消える可能性が大きい。
こんなときどうすればいいか。
まず最悪を想定することだ。
経営者本人、つまりあなたが感染したときどうするか。
社員が感染した時どうするか。
売り上げが1年ゼロになったときどうするか。
あえて希望的観測は避ける。
感染者が急速にピークアウトし、春から学校なども通常に戻る。
プロ野球も4月から開催し。大相撲5月場所は千客万来、オリンピックもなんとか7月24日に開会式にこぎつける・・・。
そうあって欲しいとは思うが、そんな楽観論はいまは慎もう。
最悪のシナリオを想定し、そこから再生の道を考えておく。
すべてを想定の範囲内に置くことが今は一番大切だ。

まず最悪を想定せよ

2020年3月23日

先が見えないダッチロール状態の世界経済である。
これまでの経験則では予想もつかない局面に、みな途方に暮れている。
私はウイルスワクチンが生産され、新型コロナが地球上から消えるまで相当時間がかかるとみている。
そして外国人観光客が元に戻るのにはさらに年数がかかるし、世界の投資意欲がしぼみ、外資系企業の日本進出や、タワーマンションへの投資なども当分冷え込むと思われる。
オリンピックやインバウンドブームという投資対象がなくなり、さらにテレワークの推進や不況による雇用調整の波も来るので膨大なオフィス需要が消える可能性が大きい。
こんなときどうすればいいか。
まず最悪を想定することだ。
経営者本人、つまりあなたが感染したときどうするか。
社員が感染した時どうするか。
売り上げが1年ゼロになったときどうするか。
あえて希望的観測は避ける。
感染者が急速にピークアウトし、春から学校なども通常に戻る。
プロ野球も4月から開催し。大相撲5月場所は千客万来、オリンピックもなんとか7月24日に開会式にこぎつける・・・。
そうあって欲しいとは思うが、そんな楽観論はいまは慎もう。
最悪のシナリオを想定し、そこから再生の道を考えておく。
すべてを想定の範囲内に置くことが今は一番大切だ。
 

百貨店はなぜ衰退するのか

2020年3月16日

2019年に閉店した伊勢丹相模原店。1990年に開店した当時はおしゃれな郊外型百貨店としてセレブな主婦が押し寄せた。駅からも近く、市営駐車場も隣にあり1000台以上収容可能、駅から百貨店の中を通り抜けて裏にある大きなマンション群に道が通じており、人通りも多くしかも隣に文化ホールまであるという。文化発信の百貨店ビジネスにとっては申し分のない立地だった。百貨店を扱うトレンディドラマの舞台になって知名度も抜群だった。
そんな百貨店が30年ももたずに閉店した。
伊勢丹相模原店だけではない。近年伊勢丹松戸店、府中店、そごう柏店あるいは秋田西武、徳島そごう、甲府の山交百貨店、山形大沼百貨店などが相次いで閉店あるいは閉店を発表した。大都市郊外に立地している店や地方の県庁所在地で長年商業の中心として城のように君臨してきた老舗店が次々に「落城」している。
今比較的安泰なのは銀座や新宿、日本橋に心斎橋、博多に栄といった大都市中心部の百貨店である。ここは外国人観光客の買い物が期待できる。日本に来る年間3000万人ほどの外国人は札束を握りしめ何か買いたいと思ってくる人たちだ。その消費の受け皿となりうるのは繁華街の百貨店であり、地方や郊外の住宅街に立地する百貨店や食品中心のスーパーなどではその恩恵を得るのは難しい。
かつては小売りの王様と呼ばれた百貨店の凋落が激しい。
バブルのころ9兆円あった日本の百貨店売り上げは、ついに昨年6兆円を割りこんだ。都心店を除けば特に上層階ほど人影もまばらという店が多い。
大きく分けて百貨店凋落の理由を三つ挙げて考えたい。
一つは他の販売チャンネルとの競合、二つ目は消費者の変化、そして百貨店業界の構造的要因である。
百貨店が最盛期から30年余り。この間郊外型のショッピングセンターが全盛となった。百貨店は地方都市でも中心市街地にあるのが基本的な立地だ。しかし郊外に新しくできたショッピングセンターは駐車場が大きくクルマでのアクセスが便利で、若い家族やカップルなどはこちらに魅力を感じるという人が増えていた。大型量販店の出店も土地を確保しやすい郊外が中心で、旧来の百貨店は陳腐化が進んだ。
そしてここにきてネット通販など新たな販売チャンネルとの競合も無視できなくなっている。
百貨店も対抗上ネットショッピングを立ち上げているが概してうまくいっていないようだ。
なぜか?
ネット通販とは極論すれば世界のどこからでも購入できる仕組みだ。ところが例えば九州に住む人がいきなり北海道の百貨店のネット通販から買い物をするかといえばそういう例はほとんどないという。電鉄系の百貨店なら沿線住民というように日ごろからなじみのある店のネットを利用することはあってもよほどの特産物を探すことでもない限り、知らない街の百貨店のネット散策はしない。つまりネット戦略は百貨店にとって市場を広げることにはつながらないのだ。
また、消費者の変化についていかれなくなっていることも百貨店の問題点だ。
百貨店というとテレビなどはすぐに「デパ地下」を取り上げたがるが、いくらそこにお客が集まっても百貨店の経営全体の構造的問題の解決にはならない。
百貨店の売り上げと利益の大半は婦人服を中心とした服飾雑貨だからだ。
高級な洋服、重衣料と言われるコートやスーツが売れて初めて百貨店は利益が出る。しかし消費者のカジュアル志向が高まり、高額衣料品への需要が減ってきている。また百貨店の売り場はメーカーが仕切り、派遣社員が自社の商品を売り込むのが常識だ。よく百貨店で店員がしつこく付きまとい落ち着かなかったという苦情が出るが、それはほとんどの場合百貨店社員ではなく、メーカーからの派遣社員で、かれらは自社商品を買わそうとしているためにこうしたトラブルとなる。
また近年のショッピングセンターや人気のカジュアル店では、ユニセックスな売り場や、洋服に合う靴やバッグ、装身具などを関連販売するトータルコーディネート販売が常識なのに、百貨店は相変わらず「1階は装身具、2階から4階は婦人服、5回は紳士服」といった売り場構成を変えられないでいる。これも結局は専門メーカーに売り場を任せているからで、結果的に売り場構成が顧客ニーズとかけ離れる結果となっている。
そもそも上層階に数千台収容の大型駐車場があり、横に長いモールをベビーバギーで歩いて移動することの郊外型ショッピングセンターの便利さに慣れた若い家族が、地下から10階くらいまで縦に移動しなければならず、駐車場があったとしても売り場から離れた別棟だったりする古い構造の百貨店に返ってくるとは思えない。
こう考えてくると、百貨店は新しい販売チャンネルとの競争にも勝てず、消費者ニーズの変化にも対応できない構造的な要因を抱えていることに行き当たる。
今後百貨店が生き残るには、消費者ニーズに合った店舗建設やメーカー任せにしない売り場つくりと商品仕入れなどが求められる。
しかし百貨店各社のトップはもちろん役員部長クラスも中高年男性ばかりで、女性ニーズに敏感にならなければならない商売にもかかわらず女性の登用すらままならない体質から改革の処方箋が出てくるとは考えにくい。
残念ながら百貨店の未来は暗いと言わざるを得ない。

戦後最大不況を覚悟しよう

2020年3月 9日

今回の新型コロナウィルスによる経済の停滞は、日本はもとより世界経済に戦後類を見ないような深刻な影響を与えると予想する。
特に日本では土地バブルの崩壊が起きる。
ここ数年日本では東京や大阪、福岡など大都市と、ニセコ、石垣島などリゾート地を中心に土地価格の上昇が起きていた。
その大きな要因は「外国人」であった。
オリンピックや万博をはじめ外国人観光客を当て込んだホテル開発、渋谷や高輪、麻布台に大手町などで顕著な外資系企業のオフィス需要に期待する高層ビル建設ラッシュ、そして乱立タワーマンションでは上層部の高額物件を中心に中国人などによる
投資目的の購入がブームをけん引していた。
こうした「外国人需要」が一気に引いたのである。
設備投資低迷のなか、金融機関はこうした不動産投資への後押しに熱心だっただけに、
今回のコロナ騒ぎで一気に融資が焦げ付くことが予想される。

五輪の開催も難しい。
いくらIOCや日本が五輪を強行開催しようとしても、世界各地でのウィルス感染が収まらなければ選手受け入れが難しいし、また各国が日本への選手派遣を行わない可能性も大きい。まさか五輪を無観客開催というわけにもいくまい。
五輪の経済効果はもはや期待できそうもない。
そうでなくても日本は消費税引き上げ後の消費の落ち込みに直面していた。
消費税が導入されて30年。日本の消費を支えてきた団塊の世代は30年前は40代前半だった。
子供は学齢期、住宅や車の購入に旺盛な年代で、消費税導入や税率引き上げの前に駆け込み需要もしてきたはずだ。
しかしその世代もいまや後期高齢者年齢に近づき、消費意欲に乏しくなり税率引き上げ前に駆け込み需要すら発生しない。
年金暮らしだから増税があればひたすら消費を切り詰める。
高齢家庭ではもともと食料品以外はあまりほしいものもない、主たる収入年金という家庭の割合が今後減ることはないから、消費税率変更の影響はそのまま需要抑制につながってしまう。

こうした構造的ともいえる要因を抱えて不況に突入していたところにコロナ不況が突然押し寄せてきたわけだ。
景気の気は気分の気である。
出かけることもままならないときに車や洋服、靴を買おうとも思わないだろう。
旅行や外食関連産業は絶望的だ。スポーツジムも閉鎖していれば新しいウエアも買うまい。
企業活動も低迷、しかも明確にコロナ禍が去ったという宣言を出すタイミングは極めて難しい。
外国人の観光需要もなく、最低でも今年夏までは経済が事実上止まったような状態が続く。気がつけばもう秋風が吹いているかもしれない。
 

災いはいつも急ぎ足でやってくる

2020年3月 2日

2011年をまた思い出すような3月になった。
未曽有の津波災害に原発事故が加わり、私たちはこの国の行く末に大きな危機感を覚え、桜の花見どころではなかった。
そしていままた、旅行はおろか会社や学校に通うという当たり前のことさえ不安にさいなまれる時を過ごしている。
1か月ほど前まで、この国は外国人に占拠されたようだと話していたのに、銀座や浅草、京都や心斎橋からぱったりと外国人が姿を消してしまった。
中国からの逆輸入が当たり前の経済になって久しいのに、その中国からモノが入りにくくなった。
誰が仕組んだんだ!そんなバカなことがあるか!
というようなことがまさか本当に起こるとはだれが予知していただろうか。
災いはいつのまにか急ぎ足でやってくる。
地震はあるかもしれない。
台風だって覚悟しておいたほうがいい。
災害大国ニッポンだけにそんな覚悟はどこかでもっていた。
でもまさか疫病禍が直撃するとは、予想の範囲を超えていた。
もしこれでオリンピックが中止、あるいは延期になったとすれば
声も出ない。
しかしそれでもあえて言う。
あらゆるリスクに備えるのが経営である。
いつ何時よその国からミサイルが飛んできても想定のうちと言わなければならない。
いち早く実態をつかみ冷静に分析し、次の一手をうつ心構えを再確認するしかない。
リーダーの心得とは総理大臣はもちろんだが、たとえワンマンカンパニーの社長でも基本はおなじはずだ。

送料はだれが負担する

2020年2月21日

ネットを中心とした通信販売の送料負担が今後大きな問題となりそうだ。
ネット通販の楽天が3月から3980円以上購入すると送料を出店者負担で無料にするという方針を示したことで、一部出店者が独占禁止法の「優越的地位の乱用にあたる」として公正取引委員会に調査を求めるなど強く反発している。
「送料無料を打ち出しているアマゾンに対抗するためには、ここでみんなが力を合わせなければならない」と社長は反論している。
遠隔地に商品を送る場合に送料というコストは必ず発生する。
問題は誰がそれを負担するかだ。
商品を購入した顧客自身、商品を販売するメーカー、あるいは通信販売などの主催企業などが考えられる。
顧客が負担するのが一般的ではあるが、これだと店頭購入時より割高になるので、通販の魅力が薄れてしまいかねない。これをサービスすることで業者は顧客獲得競争に勝とうとする。
ネット通販大手がまず考えたのが、宅配会社に大量に仕事を発注することで、宅配費用を格安に設定してもらうことだった。宅配会社は配達費用を割り引いたうえに物流倉庫内でのピッキング作業なども請け負うなどして、独占的に仕事を請け負おうとネット通販会社に食い込みを図ってきた。
実際に宅配会社の物流センターに見学に行ってみると、流れている商品のかなりの割合が大手ネット通販会社の商品であり、これを受注するかしないかで業界シェアを左右することになりかねない。
ただ、大手ネット通販の受注は宅配会社にとって赤字覚悟の大盤振る舞いで利益率の減少を招く。その分をほかの顧客への値上げで補おうとすれば反発も必至だ。
またもう一つ問題がある。
大手ネット通販の配達の多くは実は時間指定便で、それも夕方から夜にかけての時間帯に集中しているという。昼間働いている比較的若い顧客が多いからだ。
宅配便ドライバーは朝早くから勤務しているから夜のほうが忙しいとなれば超過勤務が問題になる。働きすぎ改革のなかで宅配便ドライバーの勤務管理は大きな問題だ。
このように宅配業者のコスト増と人手不足がもはや限界に達しているというのが現在の問題だ。
そうなると、あとは出品するメーカーなどへの負担要請しかない。
今回の楽天の出品業者への送料無料要請もこうした流れの一環だといえる。
しかしどんな形であれ、本来コストのかかっている送料の費用をだれかに負担させるということには無理が生じると思う。
便利、便利と言っていたコンビニも、年中無休24時間営業や、フードロス問題、賞味期限の近づいた食品の値引き問題など、これまでの経営スタイルが曲がり角に来ている。
同様に便利な通販も送料問題を皮切りに今後問題が表面化してくる可能性を感じる。
便利さを求めてきたライフスタイルが問われている。
 

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