「西村晃のマーケティングの達人 大繁盛の法則」企業経営・売上アップのヒントを提供

今週のズバリ

バックナンバー

年金で暮らせると思いますか?

2019年9月 9日

働く現役世代が減り、逆に年金暮らしのシニア世代が増える一方なのだから、年金財政が大変になるのは目に見えているし、だれが国家運営をしてもそれほど結果に変化が出るとは考えにくい。
年金だけで現役時代と同じ水準の暮らしが続けられると思うほうがおかしいと思うのだが、いざその現実を突きつけられると、みな八つ当たりしたくなる。
日本は高度成長時代に年金財政を、積み立て方式から賦課方式に移行した。
今の現役が今のお年寄りを養うのが賦課方式だ。
現役が多く、年金受給者が少なければこれがよい方策だが、やがてそれが逆転することがわかっていたのに、欧州高齢先進国を真似てしまった。そうした国はその分消費税にあたる間接税率が大きくつじつまを合わせていたのだが、日本はその後なかなか消費税が導入できず、税率引き上げも思うに任せないまま今日に至る。
日本の財政危機の原因のひとつだ。
高齢者割合が多い国は、老後資金を個人責任に重きを置く積み立て方式で行くほうが国家財政上はよかったのだと思う。
誰だって消費税含めた税金は安く、もらう年金は多いに越したことはない。
100歳まで生きると、厚生年金受給者でも毎月5万円足りなくなり累計2000万円は足りないという試算は、当然と言えば当然のことなのに、それをけしからんという野党、そんな試算は見なかったことにしようという政府はどちらも現実から目を背けようとしているのではないか。
 
厚生労働省は公的年金の長期的な給付水準を5年に1度試算する財政検証の結果を公表した。少子高齢化を受け、標準的なケースで約30年後にモデル世帯の年金の実質的な価値は現在の65歳と比べ2割近く目減りする。基礎年金(国民年金)部分に限ると約3割低下。現役世代の平均手取り収入に対する年金受給額の割合「所得代替率」は現在の61・7%から50・8%で下げ止まる。政府は「代替率50%維持」を掲げており、経済成長が見込めれば制度は持続可能と示した形だ。

 

「東横バイバイ」

2019年9月 2日

東京渋谷で長年親しまれてきた東急百貨店東横店が来年春に閉店すると正式に発表された。
この建物の3階に東京メトロ銀座線の駅があり、2階にはJR山手線の駅に加え、かつては東急東横線の駅もあり文字通り渋谷の中心であった。
 
今後百貨店の現店舗ビルは解体され、その敷地に本年秋に竣工する予定の「渋谷スクランブルスクエア東棟」につながる「同中央棟」と「西棟」が建設される予定だ。
渋谷では現在大規模再開発が行われており、その一環として老朽化した同百貨店も閉鎖、取り壊しの運命から逃れることはできなかった。
 
私は近隣の世田谷区で生まれ、子供のころの買い物は親に連れられもっぱらこの東横店の世話になった。
お子様ランチを食べ、屋上の遊具で遊び、おもちゃを買ってもらい、渋谷から離れるバスの窓から「東横バイバイ」と叫ぶのが幼いころの私の「幸せな休日」だった。

本当の「東横バイバイ」の日がいま間近に迫っている。
オリンピックを目前に控え、東京は今土地バブルの真っただ中にある。
あちこちで再開発という名の地上げが進行し、区画一体開発が進む。いつのまにか広大な土地が出現し、容積率の緩和もあってそこに高層ビルが建てられてゆく。
 
この建設ブームのキーワードは「外国人」だ。
外国人を狙うホテル、外国人投資家が狙うタワーマンション、そして外資系企業が入居するオフィスという需要が背景にある。

平成初頭のバブルの時代は株価高騰もあり、その恩恵は全国に広がっていたが、今回は株が動かずもっぱら土地の売買に限定されているため、狂騒曲は東京や大阪など大都市とニセコや沖縄などリゾート関連地域に限定されている。
 
渋谷の再開発もその流れの中で理解できる。もともとホテルが少なかったこの地域は外国人旅行者の激増でホテル建設が加速している。
またこれまで新宿や大手町と比べてオフィスビルも少なかったので、新たな高層物件のほとんどがオフィス目的だ。
 
渋谷に本社を置きたいと考える企業はこれまでの日本をけん引してきた重厚長大産業や金融業ではなく外資系、IT系企業が中心である。

ハチ公前のスクランブル交差点はいまや世界でもっとも有名な交差点と言われるまでに世界的観光名所になっている。
しかし実は地元商業界からはあまり歓迎されていなかった。国の内外から集まるのは若者ばかりで購買力がほとんどない。
ファストフード店は賑わっても高額品を買う人たちではなかったからだ。
ハローウィンや新年カウントダウンに人が集まっても地元の商業が潤うわけではない。
 
その渋谷が今後大きく変わると私は予想する。
 
高学歴高収入の外資系、IT系の職場が渋谷に増えれば、購買力のある消費者が増えるはずだ。
 
ファッションやグルメの最先端の街としてシブヤが大きく変貌する予感がする。
 
渋谷駅周辺の再開発は2030年くらいに一応のめどが立つと言われている。
 
その時渋谷は世界に冠たるトレンディスポットになっているかもしれない。
 
そう考えると東急百貨店東横店が時代の役割を終えて消えるのも仕方がないのかもしれない。
 
1日も電車を止めることもなく、町の機能を停止させることもなく都市の改造が進む。
 
渋谷だけでなく、山手線新駅を中心に巨大オフィスタウンが出現する東京高輪ゲートシティ、大阪の北梅田地区、名古屋のリニア新駅周辺、福岡天神再開発もしかりだ。
 
目の前に大きなビルが建つとそこにばかり気を取られるが、巨視的に国全体をとらえて大きな流れをつかんでおく必要がある。
 
少子高齢化という現実と、ビジネスや観光で進む国際化のなかで古いものが消え新しい器が用意されてゆく。

 

入場料1500円の本屋

2019年8月26日

活字離れに加えてネット通販やコンビニにも食われて街の書店がどんどん消えていった。
大型書店はともかく零細書店は品揃えで特徴を出すことも難しく、しかも薄利で設備投資などにも手が回らないし人件費負担にも耐えられない。
そうした中で東京六本木に一人当たり入場料税込み1620円を取るという書店が出現した。
「文喫」という名前のその「書店」は朝9時から夜11時まで営業しているが、入場制限するほどの人気だという。
私は平日の開店直後に入店したが、昼過ぎから徐々に人が増えだし、夕方以降は確かにかなり混雑している。
ただ、利用者が本を選び、購入をしているかと言えば少し違うようだ。
 
そもそも現在販売中の雑誌や、ベストセラー本を平積みでたくさん置いてあるという本屋ではない。
哲学書に経済書、歴史書に文芸書、美術書に映画関連など在庫は図書館に近くどれも一冊ずつである。
一回利用すれば大体置いてある本はわかるし、新刊本中心ではないから来るたびに品揃えが変わるわけでもない。 本を求めて二度三度と足を運ぶかは疑問だ。
図書館に近い在庫とはいっても在庫の絶対量は図書館とは比べ物にならないし、あくまでも建前上「売り物」だから貸出するわけでもない。
 
ここを利用する人の多くは「空間利用」のようだ。
ここでパソコンなどを広げて仕事をしている人が実は多いように思う。
何時間いても咎められないのだから、普通の喫茶店より仕事はしやすいし、何より静かである。
ソファもあるけど、コンセントも備えたデスクと椅子という席も用意されている。
書店が一人のお客さんから純利益で1500円売り上げることの大変さを考えれば、「本も読める喫茶店」にしてしまったほうが需要があると読んだのだろう。
コーヒーやお茶は飲み放題。飲食持ち込み不可だから、長時間いる客はフードメニューをオーダーしてくれれば客単価はさらに上がる。
 
すべての書店が転換できるわけではないが、同様の形態の店は今後増えるとみる。
何事もアイデアを先に形にした人が勝ちである。

社会の「風」を読む経営が生き残る

2019年8月19日

かつてマスコミでニュース制作の現場にいた私がテレビや新聞に接し「本当にこれニュースなの?」と疑うことがしばしばある。
例えば数十万人の県と3千万人が住む首都圏でもローカルニュースの時間枠は基本的には同じだから、大都市では取り上げられないニュースが地方では「ネタが薄い」という理由で取り上げられる。大都市圏では交通死亡事故はよほどの大事故でもないとニュースにならないが地方で死亡事故が起きれば朝から晩までそのニュースが繰り返し報じられる。人の命の重さは同じはずなのに、メディアの都合でニュースになったりならなかったりする。最近は高齢者の事故が大きく報じられるが、死傷者が出ない事故など以前はボツだったのに最近は視聴者提供の動画映像までつかって店に突っ込んだ車の映像が何度も繰り返される。それだけ視聴者の関心が高く、言い換えれば視聴率が稼げるニュースだということだろう。
昔からあったはずの高齢ドライバー事故が社会的関心を集める事情に、意図的にこうした事故をニュース化している面もあると思うし、私が今現場の責任者でもそうしているだろうと自戒する。
高齢者自体が増えているのだから、事故を起こしたドライバーが高齢者だとしてもそれ自体は統計上不思議ではない。まさにニュースが世相を作り、世相がニュースになる。
「そうした世相を反映してか、当社が販売している急発進防止装置『ペダルの見張り番』に予約注文が殺到し、それにお応えすべく商品確保に努めています」
こう話すのは、オートバックスセブンの佐々木勝常務執行役員だ。
「ペダルの見張り番」はアクセルとブレーキのペダルを間違えた際に車両側の車速・ブレーキ信号を検知しアクセルペダルを踏みこんだ量を電気的に制御して誤発進を防ぐ。さらにアクセルとブレーキのペダルが同時に踏まれた場合はブレーキが優先されるしくみだ。東京都などがこうした商品の購入に補助を検討していることも伝えられている。
「最近の新車には安全装置がついているものも出始めていますが、『ペダルの見張り番』はそうした装置がついていない車でも後付できるのが特徴です。軽自動車からミニバンまで国産車100車種以上に対応しています。運転免許を持っている方はおよそ8000万人、そのおよそ1割の800万人が当社会員として登録いただいていますが、その三分の一はすでに60歳を超えています」(佐々木さん)
若い世代のクルマ離れとともに、実際に運転している人、またカー用品・アクセサリーなどを買い求める人のシニア層の割合は高まっているという。
「この商品は当社の専売商品で、取り付け料込み税別で4万円を切るというお手ごろ感もあってご注文が殺到しています。それだけ社会的なニーズがあったと理解しています。会員の方がご購入・取り付けされた場合は交通傷害保険も1年付与しています。ただ運転状況は千差万別ですから、装置を付けても安全運転は忘れないでいただきたいと思います」(佐々木さん)
「社会的ニーズ」はどこに転がっているかわからない。そのチャンスを確実につかむセンスが経営者には求められる。
もちろん「風」は逆に吹くこともある。
順風満帆だったコンビニ大手がここにきて、24時間営業の是非や、スマホ決済システムの不具合など混乱やトラブルが相次いでいる。ひとたびそういうことが起きるとマスコミはその流れに沿った次のニュースを鵜の目鷹の目で探し出し、また大きく報じる。
フェイクニュースとは言えないまでも「風」をつくろうとする意図は感じられる。
経営者は大局観から風の流れを読む必要がある。
 
 
 
 
 

 

半世紀の変化

2019年8月 5日

一年後のオリンピックに向けて東京都内も交通規制の実験が始まった。
 
思えば55年前の前回五輪の時にはまだモータリゼーションは始まっていなかったから、道路の渋滞対策はほとんどとられなかった。
できたばかりの首都高速道路は資料映像で見る限りガラガラだった。
日本の人口は当時は1億人前後。高度成長の前期でまだ東京一極集中というほどではなかった。
 
さてそれから半世紀。
その後1億2600万人にまで増えた人口が減り始めた。
とはいえまだ前回五輪当時よりは人口規模は大きい。
 
東京首都圏には3000万人が住み、一極集中が進行している。
考えてみれば半世紀という時間はやはり大きな変化をもたらすものだ。
 
総務省が発表した住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、今年1月1日時点の国内の日本人は1億2477万6364人で、前年から過去最大の43万3239人減少した。マイナスは10年連続だ。昨年1年間の出生数が最少だったのが大きく影響した。
 
都道府県別で伸びたのは東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)と沖縄のみ。外国人は16万9543人増の266万7199人だった。

人口が減る中、居住地が東京圏に偏る構図で、少子化対策と一極集中の是正が求められる。
 
名古屋圏(岐阜、愛知、三重)と関西圏(京都、大阪、兵庫、奈良)の落ち込みが大きかったのが今回調査の特徴だった。
 
全国に新幹線と高速道路が張り巡らされ、国土の均衡ある発展がお題目だったが、それとは裏腹な状況が進んでいる。

「ゆくゆくはクラウン」から「近々免許返納」へ

2019年7月29日

戦後のベビーブーム世代を私が「黄金の60代」=「GS世代」=ゴールデンシクスティーズと名付けてからそろそろ10年、2025年の大阪万博の頃には、ほぼ全員が後期高齢者になります。
まだ平均余命には時間がありますが、後期高齢者になると消費者としては引退してしまうのが通例です。
前期高齢者はまだまだ元気だし、定年後趣味に旅行にとそれなりに支出するゆとりもあったので「ゴールデンシクスティーズ」と呼んだわけですが、そのまま「ゴールデンセブンティーズ」にはなりにくいものです。
 
この世代は戦後の高度成長期のマイカーブームをけん引しました。
サニーやカローラをもっとも買った世代、家族で街道筋のファミリーレストランやドライブスルーのファストフードにも通い出した世代です。
最初は大衆車からスタートし、所得の向上により「ゆくゆくはクラウン」を目指しました。
 
今の若者の車離れを考えると、本当に車を愛した世代と言っていいと思います。
その世代が後期高齢者になれば、そろそろ運転免許を返納しようか悩む年齢になることを意味します。
 
「GS世代」の消費者からの引退の象徴的な岐路こそ「近々免許返納」なのです。
 
オリンピックが終わると、いよいよ本格的な高齢社会の消費縮小が始まります。
 

 

企業が国家を超える可能性

2019年7月22日

国家が国家としての権威を保つには軍事力と通貨を握ることだと思う。
EUが統合されてユーロ経済圏ができたことで、EU域内が一つの経済圏を構成したことは記憶に新しい。
民間企業フェイスブックが暗号資産(仮想通貨)を発行することで世界共通通貨になったとき、世界の国々は中央銀行としての権威を保てるのか大きな問題を抱えそうだ。
IT企業がついに国家を超えることになるかもしれないという意味で、注目される。
パリ近郊シャンティイで開かれた先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議は米フェイスブック(FB)が計画する暗号資産(仮想通貨)「リブラ」に関し、重大な懸念を共有、規制を含めた対策を早急に取りまとめることで一致した。
議長国フランスのルメール経済・財務相が記者団に明らかにした。
FBなどIT大手を対象としたデジタル課税を巡り、G7は新たな「規則」が必要との認識を共有し、税逃れを封じるために合わせて法人税の最低税率を定めるべきだとの方向性でも合意した。

令和時代、風雲急をつける銀行業界

2019年7月16日

 低金利で金融機関の経営は厳しさを増すばかり。
 
大手都銀はAIの普及やコンビニATMの普及もあり、支店の統廃合と人員削減など本格的な合理化に乗り出している。
 
また地方銀行もこれまでタブーとされてきた県境を超える合従連衡にもあえて踏み込み始めている。
 
そうした中、横浜銀行と千葉銀行は業務提携を発表した。
 
神奈川県と千葉県が地盤の両行がそれぞれの強みを生かして収益力を高める。
 
総資産で地方銀行首位の横浜銀と3位の千葉銀が手を組むことが呼び水となり、地銀の連携はさらに加速しそうだ。
 
これまで駅前の大きな店舗は金融機関だったが、令和の時代は大きく街の風景が変わりそうな雲行きである。
 

 

年金暮らし世帯の生活防衛

2019年7月 8日

消費税率の引き上げの実施はほぼ確実になったようだ。
財政の健全性のために増税はやむを得ないと思いながらも、この時期の実施には疑問を感じる。前回8%への引き上げ時、景気が元に戻るのにおよそ3年かかっている。
来年のオリンピック後の景気後退と今回の消費税率引き上げの影響が重なり、特に個人消費の落ち込みが予想以上に大きくなると予想する。
今後団塊の世代が一斉に後期高齢者に入るし、主たる収入が年金という家庭が以前と比べて激増することを考え合わせると、食料品に軽減税率を適用するといった程度の対策はほとんど効果がないと思うからだ。
年金という限られた収入で暮らす人にとって食料品であるかないかということより購入品目すべてを削る消費傾向が予想される。
もちろん金融資産の多くを持つのも高齢者であるが、日々の生活のために預金を取り崩すことはしないのが普通で、なるべく年金収入の範囲内で生活しようと考えるものだ。そうなれば、消費税が上がった分は消費抑制で耐えようとするのが普通の心理というものではないだろうか。
65歳以上の高齢者世帯のうち、働いて得られる収入がなく、総所得が公的年金・恩給のみの世帯が半数に上ることが厚生労働省の2018年国民生活基礎調査で分かった。
生活への意識を質問したところ、高齢者世帯で「苦しい」と答えた割合は55・1%に上り、前年から0・9ポイント増加した。全世帯でも57・7%だった。高齢者世帯数は1406万3千に上り、全世帯に占める割合は27・6%でいずれも過去最高。無年金の人らを除く高齢者世帯のうち、総所得に占める公的年金・恩給の割合が100%の世帯は51・1%に上った。この割合が50%を超える傾向は1990年代から続いている。

 

マンションの悩み

2019年7月 1日

30階建て以上のいわゆるタワーマンションが各地で次々に建設されている。
募集即日完売というところも多くあるようで、都会を中心にマンションバブルの様相だ。

これまでのマンションだと入居者の年齢や収入に大差はなかったかもしれないが、タワーマンションだと上層階は投資目的の外国人が所有、中層階は高収入の富裕層、そして低層階はローンで何とか購入できた人というように大きく三階層くらいの人たちに分かれるという。
そうなるとやがて15年20年たつと考え方の相違で管理組合が紛糾することが予想される。

最上層階の人たちは転売を繰り返す。
中層階は高速エレベーターなどの大規模修繕を頻繁に行わないと資産価値が落ちると躍起だ。低層階はとても負担に耐えられない・・・・
近未来にこんなマンショントラブルが続発すると専門家は指摘する。
現在もマンション管理組合のトラブルは多い。

マンションの所有者の高齢化が進み、全国で管理組合の役員のなり手不足が課題となっている。対策の一つとして国が示すのが、マンション管理士ら外部の専門家に理事長の業務を委ねる方法だ。
国土交通省の2018年度マンション総合調査によると、管理組合の四割が外部の専門家を活用しているが、このうちの大半は大規模修繕など特定の案件に限って依頼しており、理事長への選任は約3%。ただ、役員への活用を「検討している」「将来的に必要となれば検討したい」とした組合は3割近かった。
外部委託した場合、管理が適切にされているのかどうか、所有者が監視することが重要だ。例えば、選任した理事長が自らに近い業者に、実際は必要がない修繕工事を発注するなど、管理組合が損害を与えられる恐れもゼロではない。

第三者のプロに委ねるメリットもデメリットもありそうだ。
高齢社会一つ屋根の下に異なる人生を歩む人が同居するマンション。
隣は何をする人ぞ、では済まされない現実が待ち受けている。

 

前の10件 1  2  3  4  5  6  7  8  9  10  11