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テーマ別企業紹介

世の中のニーズを探るアンテナ感度抜群のアンテナメーカー

かつては大手企業に下請け的にアンテナを納品していた「サガ電子」は、自治体、漁協から放送局に携帯電話会社向けなど多角的な営業戦略で時代にあった商品提案をするマーケティング会社に変身した。

サガ電子工業株式会社

「中継現場にアンテナを忘れた、すぐ送ってほしい!」
「中継する国で使える周波数が違った。周波数を変えたアンテナをすぐに送ってほしい」
放送現場からこんなトラブルの緊急連絡が入ってくる。

東京の大手アンテナメーカー?
ではない。
地方都市九州佐賀市の住宅地にあるアンテナメーカーに、である。
いかにこの会社の技術力や信頼性が高いかを示す何よりの証明だ。
連絡を受けるとすぐに対応、現場に商品を届けるために動き出す。
クイックレスポンスがこの会社の信条だ。

無線用アンテナメーカー、サガ電子工業。
「CQ CQ こちらは…」
この会社は、創業当時アマチュア無線ブームによって、マニアの絶大な支持を受け、業績を伸ばした。
「アマチュア無線のマーケットは縮小傾向にありますが、携帯電話を利用した無線ニーズは拡大し続けています。あらゆるニーズを的確に捉え、顧客に利益になる製品作りをしてまいります」と社長の小柳謙治さんは語る。
「大手通信事業者のスポンサー、ドコモフォーミュラプロジェクトチームの通信実験に参加する機会に恵まれ、レースを通じて、様々な事を学びました。この通信実験は、300kphで移動する携帯電話端末のFOMAと無線LANの切り替えをスムーズにさせるための実験が行われており、例えばプラットホームを通過する新幹線との大容量高速通信などに応用される事が、将来期待されます」

また最近は、通信機能を持つ自動販売機が市場に登場しており、電子マネー決済機能付き携帯電話で商品が買えるようになったが、これもサガ電子工業とかかわりがある。
「携帯電話を使ったお買い物の決済情報や、自動販売機の在庫情報を携帯電話の通信網を使ってやりとりしていますが、通信機器は金属に囲まれた自動販売機の中に入っているので、電波が遮蔽されてしまい通信ができません。電波の届きにくいところに設置された自動販売機でも確実に通信を確保するために、アンテナは重要な役目を担っていますがこのアンテナに当社の製品が採用されました」
サガ電子工業の製品の採用については、1にコストが安いこと。2に性能が優れていること。3に生産体制が俊敏であること。そして、4に品質が厳しく要求されたことだと小柳さんは言う。
これまで様々な企業にアンテナを納めてきた実績と信用が、地方の中小企業ながら高い要求水準に応える原動力になったことは間違いない。

「ブランド力のある商品をまず持つこと、しかも大手の同様の商品よりも企業規模が小さいことをメリットに低価格を出すこと。そして大企業なら設計、社内稟議、見積りから製作と3ヶ月はかかる納期なのに、うちなら社長の私と電話で商談をすすめ、カタログ代わりにホームページを見ながら即決、明日には宅配便で納品できるという即納のメリットを強調することで生き残れるという確信を持ちました。お客さんが次のお客さんを紹介して下さるという好循環が生まれています」
そう話す小柳さんが、父親である創業者の襄治さんから経営を引き継いだのは31才の時だ。

「当時は円高不況で電機業界全体が冬の時代でした。当社も在庫や部品、そして製品の整理も進め、コスト削減を徹底しました。そして使い捨ての感覚の商品ではなく技術力で勝負できる付加価値商品を育てることに力を尽くしたのです」
地方の中小企業でも、この開発力と、時代を読み機敏に対応する腰の軽さがあれば生き残れることをサガ電子工業は証明している。

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