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テーマ別企業紹介

顧客本位の保険選びをリードする『トータス・ウインズ』

保険の乗合代理店として顧客にあった商品を勧める「トータス・ウインズ」。
保守的な業界に合理的な考え方で新風を吹き込む。

保険料比較ソフト「トータくん」の開発で比較購買という
一般の商品なら当たり前のことを提案し支持を集めている。

株式会社トータス・ウインズ

まだ私が新入社員のころ、昼休みになるとオフィスに「いつものおばちゃん」が顔を出した。
ほとんど毎日来る。
昨日はキャンデー、今日はキーホルダー。おみやげを置いては人懐こそうな笑顔で、話しかけてくる。

いまこうした光景は減りつつあるようだ。
どこのオフィスでもセキュリティが厳しくなり、保険営業レディにとっても住みにくい時代になったようだ。
それにしても、と考える。
彼女たちは自社の生命保険を売り込んでいる。
昼休みの会話から、生年月日や家族構成などを聞き出し、生涯設計をコンピューターで計算して終身保険などを奨めるわけだが、あくまでもそれは彼女が所属する保険会社の商品であって、多くの保険会社の商品から選択できるわけではなかった。
けっして安い買い物ではない保険を、たいして吟味もせず買ってあとで後悔しないのだろうか。

こうした保険販売が大きく変わったのが、1996年だった。
乗合代理店というものができ、一つの代理店が多くの保険会社の商品を扱えるようになった。それにより、顧客にあった保険商品を自由に奨めることができるようになったのである。
東京神田にある「トータス・ウィンズ」は、生命保険を活用したリスクコンサルティングを業務にしている。現在取り扱っている生命保険会社は24社に及ぶ。
多くの商品から最適なものを組合せて、顧客の目的に叶い、最も効果的なプランニングを提供することができる。
保険は大切と多くの人は考えてはいるものの、具体的な商品選択となると、先に指摘したように営業職員の勧めに従って加入するケースが多く、契約前に保障の内容を十分検討したり、また複数の保険会社を比較して、より保険料が安く効果の高いプランを選択したと、自信をもって言える人は少ないのではないか。家電製品や自家用車を購入するときには、カタログやチラシを見ながら時間をかけて品定めをするのが一般的だが、なぜか保険選びとなると、このような熱心さが無くなってしまうのは不思議と言えば不思議だ。
「面倒くさい、よく分からない、といった保険の持つ難解なイメージに原因があるのかもしれません」と、「トータス・ウィンズ」の亀甲美智博社長は言う。
「保険業界は大変保守的な業界で、保険料の比較をさせたくないというスタンスで今日まで来てしまいました。つまりいろいろな保険会社の商品を比較して購入しようにも、そのような販売ルートがないという根本的な問題を持っていたのです。確かに96年以降、複数の保険会社の商品を扱える「乗合代理店制度」はスタートしましたが、そのような代理店でも、各生命保険会社の設計システムを利用しなければ個々の保険料を打ち出すことはできず、瞬時に全ての保険会社の保険料を比較検索するということは容易ではないのです」。
そこで「トータス・ウィンズ」では独自の保険料比較ソフト「トータくん」を開発した。
「各保険会社のほとんどの商品をデータベース化しました。年齢、性別、保険料の払い込み期間、解約返戻金の有無、などの条件を入力しますと、保険料や解約返戻率のランキングが瞬時に出てきます。このソフトはインターネット上で検索可能ですので、全国どこにいても、いつでもお客様の御要望に応じて、最も効果の高い保険商品を選ぶことができます。これがベストプランといいながら、その根拠を示すことのできない代理店や営業マンとは違い、全ての情報を開示することができますので、お客様にとっても安心して御自身の保険プランを組み立てることができます」

亀甲さんは、これにより経済の大原則、比較購買を保険でも実現できると強調する。
「これまでの保険営業であった「情理」の世界(保険を買う前に私という人間を見てくれ)を、「数理」の世界(同じ保険であれば最もコストの安いもの選べる)へと変えたいのです。今までの固定概念を捨て、新たな保険流通を作り出すのが私たちの会社の社会的使命だと思います」

「トータス・ウインズ」では、「トータスクラブ」という、乗合代理店向けの経営支援組織を運営している。これは、他の生保乗合代理店と協力し、本来の代理店のあり方を追求しようというもので、トータくん(保険料シミュレーション=トータくん)や、顧客管理ソフト(エージェントウィンズ)を共同利用しつつ、近代的な代理店を目指してIT化、お客様への最適商品の提案などを実現することを目指している。

亀甲さんは「お客様自身で弊社のソフトを閲覧できれば更にいいとのご意見もあると思います。しかし保険という商品は、家電や自動車などと違い、性能が容易に比較できるものではありません。人生観、お金に関しての価値観、実際の家計など、さまざまな要素がからみ、選択すべき商品が変わってきます。一言で言えば、「正解の無い商品」なのです。安いからいいわけでも、高いからいいというものでもない。様々な要素を考慮しつつ、お客様が希望するプランに近づける作業が必要です。そこにはプロの知恵がかかせません」と説明する。
個人ならば国の社会保障制度、税制などを考慮したムダの少ない保険プランや、資産運用、相続などの要望にはファイナンシャルプランニングの広い観点からの提案が求められる。また会社経営には従業員の福利厚生、相続事業承継、節税などの提案も大切だ。
時代のニーズに合わせた顧客本位の保険販売を目指したい。

亀は勝つ。
亀甲さんの思いが「トータス・ウィンズ」という社名に込められている。

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