
電機や建設に使うネジを40万種類在庫を抱え、全国からの注文に答える問屋がある。
巨大物流センターを有し、小ロットの注文にも応えるシステム産業、サンコーインダストリーはたとえオリジナル商品を持たなくても社会のニーズにあったしくみを考えだせば成功できるということを証明している。
製造業が海外に出て行く流れが加速したのは、90年代からだ。
円高や海外の低賃金労働力による生産移転が続き国内の工場は減りはじめた。
ということは機械など製品の組み立てに使うネジのニーズも減ったと考えるほうが自然だろう。
しかしそんな中で飛躍的に取り扱い高を増やしたネジ問屋がある。
市場縮小の中で特別な独自商品があるわけでもないのに、「しくみ」を提案したことで全く新しいネジ流通を作りだした企業がある。
大阪西区に本社がある「サンコーインダストリー」だ。
この会社は弱電関係を中心に、建設などに使用するネジやナットおよそ40万アイテムを取り扱っている。
40万、である。
在庫のネジの数は推計50億本だという。
膨大な数のネジは東大阪にある7階建て900坪の物流センターと、ほかに周辺三ヶ所用意してある倉庫内の地番管理した棚に収められている。
「うちの強味は、この膨大な在庫です。何年も動かない在庫も抱えていますからサンコーさんなら特殊なネジも必ずある、と思っていただけることが信用になっています。コンサルタントの人なんかは在庫かかえたらあかんで、とおっしゃいますが、逆をやったらうちはうまくいきました」
奥山泰弘社長はこう話す。
たくさんの在庫を抱える以上、顧客数も多くなければならない。
「サンコーインダストリー」は全国で営業を展開している。全国に取引のある企業はおよそ3000社、そこに写真付きのわかりやすいネジのカタログがおいてあり、各企業は自分が必要とするネジをそこから見つけて電話などで注文すれば、宅配便で一日ないしは二日以内にネジが届く。
「アイデアは単純なんですが、この業界には在庫を抱えたり、全国にカタログをばらまくという発想がなかったのです。土曜日に注文を頂けば週の初めから作業ができますよ、という利便性もアピールしています」
簡単に言えばアスクルとコンビニのネジ版だが、それをアスクルよりも先にネジ業界でやったところに非凡さがある。
扱い商品に目新しさはなくても、仕組みを工夫すればまだまだマーケットは広がるというお手本だ。
「不況で売れない」は言い訳にすぎないと思う。